熊本市議会 > 2002-03-15 >
平成14年第 1回定例会−03月15日-06号
平成14年第 1回定例会−03月15日-06号

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  1. 熊本市議会 2002-03-15
    平成14年第 1回定例会−03月15日-06号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成14年第 1回定例会−03月15日-06号平成14年第 1回定例会  平成14年3月15日(金曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第6号                         │ │ 平成14年3月15日(金曜)午前10時開議               │ │ 第  1 質問                             │ └─────────────────────────────────────┘                            午前10時03分 開議 ○白石正 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○白石正 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。中松健児議員。          〔17番 中松健児議員 登壇 拍手〕 ◆中松健児 議員  おはようございます。くまもと21会派の中松です。登壇の機会を与えていただきました議員の皆様に心から感謝申し上げます。改選後の定例会で早々に一般質問いたしましたので、久しぶりの質問でいささか緊張いたしております。  本日は一般質問の最終日ですので、私が考えておりました質問事項と同趣旨の部分については割愛したり、視点を変えたり、要望事項に変えたりしていますが、なお重複する部分はお許しください。  まず、財政問題について質問いたします。  今回の財政問題の質問の趣旨は、大所高所からの財政のあり方については他の議員さんから提言されておりますので、私は、熊本市の事業推進について重要なことは財源の確保であり、そのためにはどうあるべきかという視点でお尋ねします。  財源の確保には、歳入増と歳出の抑制です。事業の精査により捻出した財源を、短期的には失業等で苦しむ人のための雇用対策に、長期的には的確な事業選定による施策の推進を期待しての財政問題についての質問です。  そこで、改めて熊本市の財政状況を示す財政指標を平成12年度で見ますと、公債費比率22.5%、約 3,150億円の公債費を抱え、中核市の中でも上位を占め、財政調整基金もピーク時の 103億円から44億円と半分以下となり、一般会計でも借金返済のための公債費比率が17.1%となり、事業推進に大きな負担となっています。このことは単独の普通建設事業費が大きく減少していることからもうかがえます。
     中期財政計画、行政改革、マスタープランの実施計画でも、厳しい財政状況下での事業推進であり、事業の的確な選定、評価制度の導入、財源の重点的、効率的配分等に留意して、健全な財政運営に向けた努力をされていることについては一定の評価をしたいと思います。  事業推進に当たっては、市税の確実な徴収と財源の確保、効率的な配分と適切な支出、すなわち市民に理解が得られる徴収と適切な支出こそが大切であり、そのためには常に事業の点検、見直しを行い、透明性を高めなければなりません。  財源確保のためには市税等の徴収率を高めることが大切であり、納税を一本化するための機構改革や、徴収率向上のためのさまざまな努力をされ、徴収率がわずかながらでも増加していることに対して職員の努力を多としますが、依然として多額の未納額があります。  市税については他の議員さんから質問があっておりますので、私からは今回は、特に国民健康保険料、住宅の使用料について、その未納額、収納率と、さらに今後収納率を高めるためにどのような手だてを考えておられるのか、健康福祉局長及び建設局長にお尋ねします。  次に、財源対策としての市の施設管理のあり方、今回は墓地の管理費徴収についてお尋ねします。  財政の増収対策として、地方自治体はさまざまな財源確保の努力をしています。  東京都豊島区ではJRに放置自転車処理費用を求めたり、熊本市でも一般ごみの有料化、地下水基金の強化、駐輪場の管理費徴収等が検討されています。体育施設等の使用料徴収や改定は既に進められています。  このことに関連して、私は市営墓地の管理費が徴収できないか提案したいと思います。  私の先祖の墓地は区画整理で移転させられまして、熊大裏の市営の小峰墓地にあります。公園化されており、お彼岸や盆、暮れにはお墓参りで人の出入りが結構多いです。比較的よく管理されており、管理人もおられ、市の対応にいつも感謝しております。  これだけよく管理・整備されていますので、管理費も大分かかるだろうと思い、管理費を払わなくてよいのだろうかというのが率直な気持ちです。友人は民間の墓地を購入して、年間一定額の管理費を納めているということを聞き、市財政厳しい折に一部の市民のみが恩恵を受けてよいものかと思い、お尋ねします。  市営墓地はほとんどが公園化されていますが、公園内の清掃、植栽の管理、管理人の人件費、水道料、ごみ処理等の経費がかかっていると思います。また、転居や家族環境の変化、将来の少子化等により無縁墓も増加すると思われます。さらに、核家族の進展とともに、先祖の墓から分骨して現住所に墓地の購入を希望するなど、需要増もあります。墓地管理をきちんとしておくという視点からも、一定額の管理費を徴収してはと思います。このことにかかわって幾つかお伺いします。  現在の市営墓地の管理個数、無縁墓地の個数、年間の管理経費はどのくらいか。  2点目、永代使用料として墓地購入時に徴収されていますが、現在額とその使途について。  3点目、墓地管理費の徴収と無縁墓地の使用期限(例えば管理費の未納とか音信不通の方など)を設け、購入希望者の要望にこたえる措置はできないか。  以上3点について健康福祉局長にお尋ねします。  事務事業の見直しによる経費削減という観点から、市役所発行の報告書、計画書などの印刷のあり方、見直しについてお尋ねします。  熊本市役所では各種の調査報告書広報用リーフレット啓発用ポスター等の印刷物は、年間でも膨大な量になると思います。  報告書やパンフ類を拝見しますと、外見も立派なため庁内で作成されたものでなく、民間に委託してされたものだろうと思われるものも見受けます。  各種の印刷物は、法令で定められた基本計画などのように、作成の根拠が法令や条例で発行が義務づけられたものもありますが、大半は明確な根拠の規定もなく、担当部局の判断により作成されているようです。  前例踏襲主義で発行されているケースや、データ収集や分析まで外部委託し、丸投げしてしまうケースもあるとお聞きします。このようなことになりますと、市の職員の政策形成能力の低下にもなりかねません。  印刷物は文化のバロメーターと言われていますが、現在のようなはんらん状態で真に必要な印刷物かどうか点検することも必要ではないかと思います。人件費まで入れますと相当の経費がかかっていると思います。  印刷物作成についてお尋ねします。  1つ、法令や条例で定められた実務的なもの、制度改正等のために市民に周知するために作成する印刷物、部局の判断で作成する印刷物の3種類について、印刷物の総数と経費はどのくらいか。交通局、消防局、水道局などを含めた市全体で御回答をお願いいたします。  印刷物のあり方や見直しについて検討し、経費削減に努めてほしいと思いますが、総務局長のお考えをお伺いします。  次に、縦割り行政と地域への助成金のあり方についてお尋ねします。  ある会合で自治会長さんより、地域への助成金について質問されました。その自治会長さんの話によると、いろいろの団体から事業への協力の要請や依頼を受けるが、末端組織である自治会だけで受けこなせないし、また、市よりの助成金についてもどうなっているのか全体がつかめないということでした。  早速、地域づくり推進課へ行き尋ねましたが、多くの局にわたっており、全容の把握は困難であるとのことでした。今の縦割り行政では当然のことであろうと、実態を調べるうちに納得できました。また、縦割り行政の弊害をも感じました。  地域では町内自治会、地域公民館、市民センターコミュニティーセンター青少年健全育成協議会社会福祉協議会、公園愛護会、体育協会、防犯協会、交番連絡協議会交通安全協会、老人クラブ、子ども会、婦人会、PTA、消防団、まちづくり研究会・委員会、ボランティア団体民生児童委員、保護司会、NPOなど数多くありますが、程度の差はあるものの、行政と一定の関係を保ちながら、地域発展のため、地域環境の整備や生活の安全確保、福祉活動、文化活動にと頑張っておられます。  行政の組織は縦割りですので、それぞれの行政の縦組織を地域につくり、それを通じて助成金を交付し事業の推進を図っておられます。地域でのそれぞれの組織では、構成メンバーが重複したり、事業に追われ全体像もつかめず戸惑っているというのが現状ではないかと思いますし、自治会長さんの御指摘、疑問もうなずけます。行政の助成金の交付についても同様のことが言えます。  地域の受け手は1つですが、その活動は重複しているという現実を受けとめて、行政と地域組織のあり方や全庁的な施策調整、さらに助成金のあり方など検討すべきだと考えますが、市民生活局長の御所見をお伺いいたします。  次に、雇用問題に関連してお尋ねします。  我が国の経済情勢は個人消費の落ち込みや雇用の悪化に見られるように、厳しい状況にあります。アメリカの経済誌「フォーブス」の2月18日号では、日本経済はこの12年間低迷し、さらに完全な危機に陥ったと指摘し、政府の2001年第3四半期(7月から9月)の実質国民総生産(GDP)も、前期比マイナス 2.2%と厳しい数値を示しています。  雇用情勢も昨年末には完全失業率が 5.5%と史上最悪を更新し、また勤労者の所得も悪化し、百貨店やスーパーの売上高や乗用車の販売台数、住宅着工戸数など、個人消費関連の指数も落ち込んでいます。  この消費低迷の要因として顕著なのは、三、四十歳代の中堅層の消費低迷であり、現下の景気情勢を反映し、企業の倒産やリストラの増大が中堅世代に将来の雇用、所得に対する不安感を募らせているからにほかなりません。  今日のデフレスパイラルとも言える経済の悪循環を断ち切るためには、構造改革の推進とともに、雇用を充実した将来に希望が持てる政策と事業推進を図るべきです。  熊本経済に目を転じますと、日銀熊本支店の昨年末の県内企業短期経済観測調査によれば、企業の業況感は一段と悪化し、民事再生法を申請した大手スーパー壽屋、あるいは熊本岩田屋の撤退の検討などに見られるように、企業の倒産など大変厳しい状況が続いております。  本市の平成14年度予算では、この厳しい雇用状況に対する対策が不十分ではないかと思います。そこで、国が行う緊急雇用対策だけでなく、本市独自の雇用対策をいま少し積極的に取り組んでいく必要があるのではないかと思います。  そこで、雇用問題に関連して2点お尋ねします。  まず、このような独自の雇用対策を行うには、そのための財源を生み出すことが必要です。  そこで、これまでも取り組んでこられた事務事業の見直しを、いま一歩踏み込んで行うことや、これまでと違う視点からの見直しを行うことから、まだまだ財源が生まれると思います。例えば封書をはがきに切りかえる。可能な限りの領収書送付の廃止、制服貸与の見直し、公用車の買いかえ時期の延長と適正な公用車両のあり方、節電、節水、保守点検等を各課の随意契約でなく競争入札を導入するなど、身近なところでの工夫で財源がまだまだ生み出せると思いますが、いかがでしょうか。  そこでまず、財源づくりの取り組みについて企画財政局長にお尋ねします。  次に、雇用の確保の面からお尋ねします。  近年の雇用情勢の中でも、高校生の就職を見てみますと、年々厳しくなっております。本年1月末の熊本県内の高校生の就職内定率は65.9%、対前年比マイナス 6.4%となっており、このような状況を好転させることが、本市の労働力確保にもつながることと考えます。  そこで、市としてどのような対応を考えておられるか、また、特に熊本市役所内での雇用についてどのようにお考えなのか、経済振興局長と総務局長にお尋ねします。  また、現在、本市中心部に2つの再開発事業が進行中であり、近々完成します。この不況下で再開発ビルは経済の活性化と雇用の拡大に大きく寄与するものと期待しています。  そこで、この2つの再開発事業の完成により、市の現代美術館を初めホテルや商業施設などでかなりの雇用が見込まれると思いますが、雇用面における経済効果について経済振興局長にお尋ねします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  中松議員にお答えいたします。  最初に、国民健康保険料収納率向上対策についてでございます。  国民健康保険は制度上、高齢者等低所得者の方を多く抱えており、また近年の景気低迷に伴い、会社倒産、リストラ等の社会保険離脱による加入者は増加傾向にあり、国民健康保険を取り巻く状況は大変厳しいものがございます。  お尋ねの国民健康保険料の未納状況でございますが、現年度分で申し上げますと、平成12年度決算におきまして、調定額約 186億円、未納額約22億円、収納率 88.29%でございました。収納率は前年度と比較いたしますと、 0.1ポイント上回ってはおりますが、まだまだ低く厳しいものと認識いたしております。  そこで、収納率向上対策でございますが、平成12年度に保険料収納課を設置し、各種対策を講じてまいりました。  まず、口座振替勧奨でございます。訪問時の勧奨あるいは市政番組等での広報を行い、現在約半数の世帯でご利用いただいております。  次に、平成12年度から市役所別館8階に会場を設け、休日を含む特別納付相談窓口を開設するなど、未納者の方への継続的な納付相談を実施してきたところでございます。また、職員、徴収嘱託員による訪問徴収にも力を入れてまいりました。  今後はこれらの対策をさらに推し進めることはもちろんのこと、滞納処分の強化、あるいは新たな対策として納付相談等に応じない未納者に対しましての資格証明書の交付も考えております。  また、滞納状況の分析による的確な収納事務の実施等、滞納整理事務の効率化を図るため、収納支援システムの開発経費を14年度予算に計上させていただいております。  国民健康保険の安定的運営には収納率向上を図ることが最重要課題の一つであり、制度を御理解いただきながら、収納率向上に全力で取り組む所存でございます。  続きまして、墓地の管理費徴収についてお答えいたします。  本市におきます公営墓地の維持管理は、良好な環境の中に、故人をしのぶ場として、また市民がそこに参拝し、散策、休息などを行えることを念頭に置き、その対応を行っているところであります。  また、それに加えまして、市営墓地は公益性の高い土地であり、議員御提案のとおり公有財産の使用に関しましては、より一層適正な経営施策を講じていくことも求められていると認識いたしております。  まず、1点目の市営墓地の管理基数につきましては、昭和8年に花園墓地の開設以来、本年2月末現在で1万 4,830区画の貸し付けを行っております。また、無縁墓地の基数につきましては、台帳で管理します承継者と実態とが一致しないことが多く、把握はできていないのが現状でございます。  次に、年間の管理経費でありますが、平成13年度の決算見込みでは 4,200万円となっております。  2点目の現在の永代使用料につきましては、一般墓地が1平方当たり8万円となっておりまして、平成14年度より新規に造成します桃尾墓園につきましては、1平方メートル当たり12万円とする条例改正案をお願いしているところでございます。  なお、永代使用料の使途につきましては、墓園整備費に充当いたしております。  3点目の墓地管理費の徴収並びに無縁墓地の対応策でございます。  管理費の徴収につきましては、本市には戦前からの古い墓地もあり、台帳管理の問題、それから墓地使用権のとらえ方等々もございますので、今後検討させていただきたいと思います。  また、無縁墓地につきましては、本市の現況からまず実態の把握を行い、その上で被祭祀者の尊厳性に十分留意した改葬などを慎重に検討してまいりたいと存じます。          〔吉崎新起建設局長 登壇〕 ◎吉崎新起 建設局長  市営住宅の収納率向上対策についてお答え申し上げます。  市営住宅使用料の未納額は、平成12年度決算で約5億 1,700万円、収納率で 85.95%となっております。  市営住宅使用料収納率向上の対策につきましては、入居者負担の公平性を確保するとともに、公営住宅制度の健全な維持を図るため、これまでにも文書による納付指導のほか、平成11年度から嘱託徴収員を8名から10名に増員し、戸別訪問の徴収事務の強化を図ってきております。また、部内に収納率向上対策会議を設置し、全職員による電話催告、それから夜間・休日の訪問徴収、年末の特別徴収などを行ってきております。  また、特に悪質な納付意識の欠如していると思われる入居者には法的手段を講じるなど、収納率向上に鋭意努力をいたしているところでございます。  しかしながら、収納率が平成8年度から90%を割り込み、その後景気低迷の影響もあろうかと思いますが、毎年下降傾向にございます。  そこで、滞納者には早目に納付督促を行いながら、滞納額が少しでも大きくならないよう指導を行うとともに、平成10年度より訴訟を年1回から2回とし、さらには本年度より調停や即決和解を申し立てるなど、滞納整理業務の強化を図っているところでございます。  今後とも入居者の納付意識を高めるとともに、あらゆる手段を講じ収納率の向上に努力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。          〔古川康総務局長 登壇〕 ◎古川康 総務局長  財政問題につきまして、2点お答え申し上げます。  まず、第1点の印刷物のあり方についてでございます。  印刷物の削減は、本市の財政の面、また環境の面からも強く求められているものと思っております。  お尋ねの本市が作成しております各種報告書、啓発資料等の印刷物の総数と経費でございますが、平成12年度の実績を申し上げますと、市全体で発注等の契約件数が約2,800 件、経費が約5億 6,600万円となっております。  印刷物の作成に当たりましては、厳しい財政状況の中で、各部局におきましても十分に検討の上、執行しているところではありますが、議員御指摘のような視点での見直し点検が必要であることも認識いたしております。  したがいまして、今後は印刷物の必要性、費用対効果等を十分に精査するよう周知いたしますとともに、インターネットの活用など新たな啓発、広報手段についても検討してまいりたいと考えております。  また、新年度、平成14年度に文書管理システムの構築のための調査を実施させていただき、この中においても、事務改善の一環としましてペーパーレス化の推進といったものについても検討を行ってまいりたいと考えております。  2点目の雇用問題に関しましての庁内での雇用対策でございます。  この点につきましては、先日から西議員、益田議員にもお答えいたしたところでございますが、現在の厳しい経済状況のもと、新規学卒者の皆さんやリストラに遭われた中高年齢層に対します雇用状況は大変厳しいものがあるということは十二分に認識いたしております。  このような状況から、議員お尋ねのように、地域社会全体におきます雇用の拡大を図るという面から、まず市役所内部における雇用につきまして率先して取り組むことも大変有意義であると考えております。  ただ、例えばどのような人を雇用の対象とし、またどのような分野で、どのような業務を担当してもらうかなど、さらには採用枠の規模や雇用期間等の勤務条件、さらには費用等の捻出に関しまして検討を要する点が幾つかございます。これらの問題につきまして、各関係部局とも連携を図りながら速やかに検討に入り、平成14年度中には実現できるよう努力してまいりたいと考えております。          〔村上智彦市民生活局長 登壇〕 ◎村上智彦 市民生活局長  縦割り行政と地域への助成金のあり方について、地域づくりの観点から中松議員にお答えをいたします。  議員御指摘のことについては、今まさに時代が大きく変わり、地方分権が進む中で対処していかなければならない極めて大きな課題の一つであると考えております。御承知のとおりに地方分権一括法の施行によって、これまでの中央集権型行政システムから地方分権型行政システムの枠組みが構築されたところであります。  そして、国と地方自治体が役割を分担し、また地方自治体と住民が役割を分担しつつ、市民と行政の協働によるまちづくりを進めていかなければ都市の発展は望めない時代を迎えています。  私どもはこのような基本認識のもと、総合計画に掲げる自立と共生の地域づくりに住民の皆様と一緒になって全力で取り組んでいるところでございます。  具体的には、80校区のまちづくりの推進並びに全自治会長を対象にした自治会研修会や行政との懇談会などに取り組んでおりますけれども、このような事業の推進を通して、私ども行政も地域と行政のあり方について、議員御指摘の行政と地域組織のあり方や全庁的な施策調整、助成金のあり方も含め、さまざまな克服しなければならない問題、課題というものを痛感いたしております。  そこで、昨年11月、市民が主役のまちづくりを目指した80校区のまちづくり推進事業を成熟化させるために、熊本市まちづくり推進懇話会を設立したところでありますけれども、この論議の中でも議員御指摘の問題は避けて通れない問題でありまして、この懇話会の中で活発な論議をしていただき、提言をいただくことにしております。  さらに、平成14年度には新しい分権時代に対応した自治会と行政のあり方を検討するため、全庁の関係部署から成る庁内検討会を発足させることとしております。  今後は、さまざまな困難も伴いますが、このような論議、検討を踏まえ、庁内の関係部門とも協議、連携を図り、一体となって新しい時代の地域と行政のあり方に向けたシステムの構築に取り組んでまいりたいと考えております。          〔齊藤聰企画財政局長 登壇〕 ◎齊藤聰 企画財政局長  私には財源づくりの取り組みについてのお尋ねであります。  本市におきましても、税等の収入が落ち込むなど厳しい財政状況が続く中で、事務事業の見直し等による財源捻出にはこれまでにもさまざまな取り組みを行ってきたところであります。  例えば議員御指摘の領収書等の送付廃止や回数の見直し、さらにエレベーター保守点検等、業務委託の競争入札実施による削減等においては既に13年度から取り組んでおり、またそのほか高利率の市債の繰上償還や借りかえ、市債借り入れに当たっての利率の競争見積もり導入など、財政運営面でも積極的に進めているところでございます。
     平成14年度におきましても、事務事業のスクラップによる節減、経常的事務管理経費の一律削減、イベント関係経費の削減等を初め、料金割引制度の活用による文書郵送料の削減、家賃滞納訴訟弁護士委託業務の職員による実施等の効率化を行うことなどにより、一般会計総額で10億円以上の経費節減を行っております。  今後も、当面は厳しい財政環境が続くものと思われますため、さらなる財源捻出の工夫が不可欠であり、職員の意識改革を図りながら財政の危機管理の観点に立って、聖域なしでの見直しに取り組んでまいりたいと思っております。          〔三嶋輝男経済振興局長 登壇〕 ◎三嶋輝男 経済振興局長  雇用の関係で、高校生の就職の問題についてお答え申し上げます。  本年3月卒業の新規学卒者の熊本県内の就職状況は、御案内のとおりIT関連の製造業の落ち込みやサービス業の縮減等により、特に高等学校卒業予定者にとって厳しくなっており、その就職決定率は前年に比べまして 6.4ポイントも減少しております。  ちなみに県内の大学卒業予定者の本年1月末の就職決定率は50.5%と逆に 4.5ポイント上昇しております。これは各企業におきまして、高校生の採用から大学生の採用へとシフトしている傾向にある結果と思われます。  このように高校生の雇用情勢が急激に悪化していることを受け、国におきましては就職活動の際、学校が1人の生徒に1社しか推薦しない慣行を廃止して、複数の企業の採用試験を受けることができるよう、都道府県の教育委員会や経済団体に近く要請することといたしております。  本市といたしましては、高校の進路指導の先生と企業との懇談会の開催や、インターンシップ及び卒業予定の高校生を対象とした就職促進会を開催し、就業意識の啓発などを推進する一方、就職が決まらないまま卒業した既卒者に対し企業ガイダンスなどの開催を行っております。  また、就職を促進するための職業訓練といたしまして、新年度から新規事業として、熊本市職業訓練センターの職業訓練の受講補助を実施したいと考えており、今議会にお願いをしているところでございます。  次に、2つの再開発ビルの完成に伴う雇用面からの経済効果についてのお尋ねでございます。  鶴屋関係で約 700名、日航ホテル関係で約 300名の新規の雇用が発生すると聞いており、その効果に大きな期待を寄せているところでございます。  現下の厳しい雇用情勢の中、雇用問題は本市の重要課題と認識しており、今後も関係機関と連絡を密にしながら積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。          〔17番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  御答弁ありがとうございました。  本市におかれましてもさまざまな行政改革を行い努力されていることは承知いたしておりますが、私は特にここ数年続く厳しい経済状況での雇用対策について、しかも非常事態とも言えるような昨今の雇用状況においては、即効性があり効果的な対策として、労働時間を減らして雇用を維持、創出するワークシェアリングがあるのではないかとは思いますが、このことについては他の議員からも御指摘があっております。連合は緊急避難型のワークシェアリングを容認しております。  EUのフランスやドイツは労働時間短縮型で、オランダではパートタイム労働者の均等待遇型で、いずれも賃金低下を招かない中で雇用の拡大を実現しています。他の議員が述べておられますように、市役所でもこの考え方を導入してはというふうに要望いたします。  今まで述べました事務事業の見直しや収納率向上策により財源を生み出し、その財源を活用して、時間外勤務の多い職場に新たに雇用する非常勤職員等を配置することも検討すべきではないでしょうか。市役所内の新たな雇用を生み出す緊急雇用対策事業としてぜひ検討していただくように要望いたします。  この2年間を乗り切れば、景気も上向き雇用も拡大すると思います。熊本市内では最大の事業所とも言える市役所でございますので、どうぞよろしくお取り組みをお願いいたします。  また、お墓の管理費徴収は、公有財産を一部の人が使用し、管理まで税金で賄っていることを思えば、利用していない人の不公平感は如実です。早急に取り組んでほしいと思います。  印刷物にかける経費も膨大です。IT化が進む中で、抜本的に改善が迫られます。事務事業改善の一環として検討していただくように要望しまして、次の質問に移ります。  人権問題について、市の取り組みについてお尋ねします。  20世紀は文明も進みましたが、世界じゅうを巻き込む戦争の世紀でもあり、人権が踏みにじられた世紀でもありました。そのような反省から、人間の尊厳を保障するため国連を中心とするさまざまな取り組みがなされ、各国はこの基準をもとにして人権問題の諸施策を進めております。  1948年に世界人権宣言が採択され、その後、この人権宣言の理念を実現するために、女子差別撤廃条約、子どもの権利条約、国連障害者10年など、人権に関する条約や国際年を設定するなどして国際基準が示され、世界各国でさまざまな取り組みが進められてきました。  1995年から2004年までの10年間を人権教育のための国連10年と定め、行動計画が策定されました。残す期間は3年弱となり、熊本市の取り組みと課題を整理する視点から、人権問題を総括的に一般質問に取り上げました。  人権は人間として当然持っている固有の権利であります。我が国でも人権に関する国際的な諸条約を締結して、子どもの権利条約、男女雇用機会均等法、同和対策事業特別措置法、らい予防法の廃止、人権擁護施策推進法、さらに近年では1999年に男女共同参画社会基本法が制定されました。  人権教育のための国連10年の計画推進のため、1997年に国内行動計画が策定され、熊本市では人権教育のための行動計画、すなわち2000年に人権教育啓発基本方針及び行動計画を策定しております。この行動計画では、人が人として尊重される社会の実現を目指して、同和問題、女性、子供、障害者、在住外国人等の問題を提起しております。  そこで、ここでは、同和問題、女性問題にどのような取り組みをされているかお尋ねいたします。  最初に同和問題についてです。  この問題は、大正時代の米騒動、全国水平社の解放運動を契機として重大な社会問題として認識されるようになり、戦後、新憲法のもとに改善対策が講じられ今日に至っています。  同和地区における社会的、経済的諸問題を解決するための施策が講じられるようになったのは、1969年に政府によって同和対策事業特別措置法が制定されてからのことです。その後、地域改善対策特別措置法及び地対財特法(地域改善対策特別事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律)と、法律の名前は変わりましたが、今日まで同和対策事業が進められてきました。  この間に、生活環境改善等のハード面の事業は一定の成果があっております。しかし、部落問題の本質とも言える就職問題、結婚、市民啓発と、意識改革の面では多くの課題が残されています。  時限立法である地対財特法が失効するために、新たに2000年11月、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が成立しました。  この法律は人権尊重の考え方を深める教育や啓発事業の実施を、基本計画を策定して求めています。従前までの同和対策事業と今回の法律が求めている人権問題を中心に据えた事業の推進についての整合性と、今後の取り組みについての御所見を、市民生活局長にお伺いします。  次に、女性の人権についてです。  国連の取り組みを受けて国の法整備や各級機関での取り組みは比較的進んでいますが、人々の意識や社会の慣習に残っている固定的な役割分担の意識は解消されずに根強く残っています。熊本市が策定した人権教育啓発基本方針の中でも、各種の団体や個人が実践していくことの必要性を述べ、その中で具体的に、学校における男女混合名簿や名前の呼び方、言葉の使い方などの意識改革と実践を強調しています。  また、少子化及び青少年健全育成対策特別委員会でも、審議会委員等の女性委員登用率の具体的数値目標の設定や、熊本市立の 117の全小中学校での男女混合名簿の実施を掲げています。  本渡市では数年前から教育委員会の責任で全校で実施していますが、特に問題があったとの報告はないそうです。3年前の私のこの点に関する一般質問で、男女混合名簿を採用している学校は確実にふえており、今後も推進したいという答弁をいただいております。その後も、同じ会派の小山議員が質問されて、同様の趣旨を答弁されています。  学校の自主性を重んじ、学校の運営に介入し過ぎるのは好ましいことではありませんが、大きな視野に立っての判断が必要なときは、教育委員会の指導方針をきちんと学校に理解させることは大切だと思います。  国や県、市での基本方針、行動計画、さらに議会の特別委員会等の論議を踏まえて、熊本市立の全小中学校や幼稚園、保育園に男女混合名簿採用について教育委員会の責任で実施に踏み切る時期に来ていると思いますが、人権問題推進の窓口である市民生活局長及び教育長の御所見をお伺いします。  次に、ドメスチックバイオレンス、通称DVについて熊本市の取り組みについてお尋ねします。  女性に対する暴力はマスコミの報道でも取り上げられ、一般の人の関心も高まっています。ストーカー行為、さらに殺人事件に発展するなど、潜在的なケースを含めると数多くあると思います。暴力自体や被害を受けた女性に対する社会の理解は不十分です。  女性に対する暴力の根底にあるのは、女性に対する差別意識であり、女性の人権の軽視、社会の無関心など、その背景はさまざまです。私は夫の妻に対しての暴力について相談を受け、行政機関と接触を持った経験がありますが、行政の対応の限界を感じました。少しでも諸施策の前進を願って質問いたします。  1つ、当局は、夫の妻に対しての暴力について、どのような認識をお持ちかお聞かせください。  2点目、夫の妻に対する暴力などに対して、相談や対応する熊本市の行政機関はどのようなところで、どの程度の相談件数があっているのか。  また、場合によっては一時的な緊急措置も必要かと思いますが、そのような施設が整備されているのかお尋ねします。  役所や施設等は休日や時間外は不在であることが多いと思いますが、24時間体制の対応ができているのか、また暴力から逃れて自立していくためには、さまざまな支援も必要だと思いますが、自立のための支援策をなされているか、市民生活局長にお尋ねします。          〔村上智彦市民生活局長 登壇〕 ◎村上智彦 市民生活局長  中松議員の質問にお答えをいたします。  議員御案内のとおり、国際連合が人権教育の10年を採択したことを受け、国はその国内行動計画を策定するとともに、人権教育や人権啓発、人権救済の施策を総合的に推進し、もって人権が尊重される社会づくりを目的として人権擁護施策推進法や人権教育及び啓発の推進に関する法律を制定し、さらに今国会においては人権擁護法案が提出されているところであります。  このような国の動きを受けて、本市においても、総合計画の中で人権が尊重される社会をまちづくりの中心的な課題とするとともに、熊本市域における人権教育啓発基本方針を策定し、熊本市人権啓発市民協議会と一体となって、市民参画のもと人権教育及び人権啓発の推進に取り組んでいるところでございます。  また、分野ごとの取り組みでございますが、まず同和問題につきましては、議員御案内のとおり昭和44年以降33年間にわたり3次の特別措置法が施行され、本市も同和対策事業を積極的に実施してきたことから、生活環境等のハード面の事業はほぼ改善されるに至っており、さらに特別措置法も今月末をもって失効することから、これまで同和地域や同和関係者の名で行ってきた特別対策は終了することになります。  今後は物的な事業ではなく、一般施策として差別意識の解消に向けた取り組みがより重要であるとともに、地方公共団体の責務をも規定した人権教育及び人権啓発の推進に関する法律の趣旨に基づき、ほかの人権問題を含め事業の総合的な推進に努めていかなければならないと考えております。  次に、女性の人権についてでございますが、その本質的な観点から男女共生に向けた施策の重要性を強く認識し、男女の個人としての尊厳に着目した男女共同参画社会基本法に沿った取り組みを積極的に推進しているところでございます。  男女混合名簿について、男女共生に関する問題として市民生活局にお尋ねでございますが、このことについては、身近な生活の中での一人一人の市民の意識改革に関する問題提起だと理解しております。  つまり、この問題については、人権教育の視点から見たとき、まずは学校教育の一環として教師や生徒みずからが当事者の立場を主体的に考え、さらにともに話し合うなど、学校の自主性を尊重した形で論議の展開が深まることが最も望ましいことだと考えております。  続きまして、ドメスチックバイオレンスについてお答えします。  第1点目の女性に対しての暴力について、どのような認識を持っているかについてでございます。  御承知のとおり、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法が平成13年4月に成立、同年10月から施行されました。この法律の前文にも述べてありますが、私どもは配偶者からの暴力は犯罪となる行為で、また個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げになると認識しております。  第2点目の夫の妻に対する暴力などに対しての相談機関、相談件数、一時緊急保護施設、自立支援についてでございます。  まず、相談機関の主なものとしましては、人権擁護機関、警察、県福祉総合相談所、民間団体、市の福祉総合相談室、総合女性センター相談室など、市内には約20の機関、団体において実施しております。  次に、相談件数ですが、13年度の市の福祉総合相談室、総合女性センター相談室の例では、ことしの1月末までに件数は2カ所合わせまして 445件となっておりまして、この件数は1月末現在で昨年度を大幅に超えている状況でございます。  次に、一時緊急保護施設いわゆるシェルターについてですが、現在公的には熊本県福祉総合相談所がございます。あと民間においては3団体が活動しているところでございます。  次に、休日や時間外、または24時間相談体制でございますが、夜間に緊急の保護を求める相談等に対しましては、現在は警察や交番、熊本県警の相談窓口において24時間体制の対応がなされ、また熊本県福祉総合相談所においてもその充実が計画されていると聞いております。  最後に、自立に向けた支援ですが、カウンセリングや生活支援、離婚調停など、これまで個々の機関同士が連携し実施しておりましたが、DV問題は被害者の早期発見、早期対応、被害防止、被害者保護から自立などのさまざまな対応が必要であります。  このようなことから、本市ではDV防止に向けた啓発、広報、相談員研修などの取り組み、さらには昨年9月に、市域内の警察、弁護士会、医療機関、各種相談機関、熊本県福祉総合相談所、そして民間の被害者支援団体などの関係機関、団体から成る熊本市DV防止連絡会議を、また庁内においては庁内DV防止ネットワーク会議をそれぞれ立ち上げ、より効果的な推進に努めているところでございます。  議員御質問の問題につきましては、今後、熊本市DV防止連絡会議などを通じ、関係機関、団体と相互の連携マニュアルをまとめるなどして、総合的に対応してまいりたいと考えております。          〔田尻紘教育長 登壇〕 ◎田尻紘 教育長  男女混合名簿について中松議員にお答えいたします。  昨年第2回定例会におきまして、小山議員の御質問に対してお答えをしましたように、男女混合名簿が採用されない理由等について事情を聞きました。いろいろな意見が述べられましたが、男女混合名簿が男女共同参画社会の実現あるいは人権意識の高揚のためにぜひ必要であると繰り返しの議会での御要望があっていること、また社会状況の変化あたりを考慮いたしまして、教育委員会としまして小学校新1年生から男女混合名簿を採用するよう、各校長、園長に指示をしたところでございます。          〔17番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  同和対策事業のハード面を推進する法的な根拠が失われていますが、問題は解決しているわけではありません。今後の事業推進は新しい法律のもとでなされることになりますが、従来進めていた事業についても大切な事業は継続して推進されるよう要望いたします。  学校における混合名簿採用について、教育委員会が従来の考え方から一歩前進した方針を出されたことを評価いたします。男女共同参画社会実現のための象徴的な取り組みでしたので、今後は家庭や地域でさらに前進するように啓発することが大切です。  夫の妻への暴力、いわゆるDV問題は表面化しにくい面があります。早期発見、早期取り組みのための相談窓口の充実と啓発が大切です。効果的な対応ができる体制づくりを要望しまして、次の質問に移ります。  保健福祉問題について、まず精神障害者の支援事業についてお尋ねします。  本年4月から精神保健福祉の窓口を市町村で担当するようになり、いよいよ実働に入ります。99年5月の精神保健福祉法の改正の時点で決まっていたことなのですが、市町村の準備の都合等で先送りされたという経緯があります。  身体障害者や知的障害者に対しては、介護保険制度発足とともに、従来の措置制度から保険制度への移行とともにサービス内容も一層充実し発展しているだけに、今回の精神障害者に対する施策が進み始めたことは喜ばしいことです。  95年に手帳制度が創設され、行政が障害者一人一人の状況やニーズを把握し、どのような施策が必要であるかを知ることができるようになったのは一歩前進でしたが、手帳交付の窓口は保健所であり、福祉の施策が欠落したのは残念でした。  身体障害者や知的障害者の手帳交付の窓口は福祉関係機関であることとは異なっており、このことがホームヘルプサービスを初めとする福祉サービスを受けることができませんでした。  今回の改正によりホームヘルプサービス、ショートステイ、グループホーム等の在宅の支援事業が推進されるようになり、全国で7万人と言われる対象者が推計されますので、大きな朗報です。  このことについてお尋ねします。  熊本市の精神障害者の概数、今後の生活支援事業の進め方と運営主体、事業推進に要する経費及び雇用者数など、どのようにされるのか。  2点目、保健所と福祉機関との役割と連携のあり方について。  以上の2点について健康福祉局長にお伺いします。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、要介護認定の1次判定についてお尋ねします。  現在、要介護の1次判定はコンピューターで判定されています。ケアの必要量の物差しとなる要介護認定等の基準時間が、主に施設介護の実態に基づいて算出されるそうで、在宅の高齢者で痴呆の進行している患者さんにとって、実際のケアの状況を十分把握されていない部分があるという指摘がされています。  在宅介護は施設介護とは異なり、被介護者のための食事づくりや衣服の洗濯などのように、家族全員分と一緒にやる場合のように、1つのケアが介護以外の家事と一体となっている場合が多く、また家庭環境の違いが被介護者の置かれた状況が同じ状態であっても、介護に要する時間には大きな差が出ます。  このような状況の中で、要介護認定の基準時間について、実態に応じた弾力的な運用の幅を持つことも大切だと思います。高齢の、痴呆の要介護者が低く出ると言われていますので、在宅介護の実態把握とケアのあり方、1次判定の仕組みに問題点や改善点はないかお伺いします。  また、私の住んでいる地域を眺めたときに、核家族の進行とも相まってひとり暮らしの方がふえており、本市ではその数は2万人に達しようとしているとのことです。もちろんこのようなひとり暮らしの方々も加齢とともに介護の必要な方がふえていくことになります。  このようなことを考えましたときに、市の総合計画でもうたっておられる、身近な場所でサービスを充実することが重要となります。  介護保険制度も在宅介護を重視するといったことのようですが、介護保険においてはこの在宅サービスをどうとらえ、どう対応しようと考えておられるのか、健康福祉局長にお尋ねいたします。  続きまして、アレルギー対策についてお尋ねします。  厚生労働省によりますと、アレルギー性疾患、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどで悩む乳幼児、小中高生、さらに成人になってまでアレルギー症で苦しむ患者が増加の傾向にあるという結果の報道がなされていました。  増加の要因は、都市化が原因であり、ディーゼルトラック等の排ガスを見るにつけ、病気が起こるのも当然の帰結のようです。また、空中の杉の花粉、化学物質への過敏な反応、シックハウス症候群など体質的な内的要因と、生活環境や食生活の変化等の外的要因、これらが複雑に絡み合って発症するまさに現代病と言っても過言ではありません。  現在、熊本市でアレルギー性患者がどの程度おられるのか、保健所で把握されている資料で結構ですので、過去の経緯も含めてお示しください。  また、これまで普及啓発活動や相談、指導等についてどのような施策がなされ、今後の計画はどうされているか、アレルギー検診を乳幼児健診で実施されているのか、健康福祉局長にお尋ねします。  また、学校でのアレルギーの実態把握はどうされているのか、さらにこれらの施設での給食における食物アレルギーを持つ子供に対して、どのように対応されているかをお尋ねします。  ある学校で調理師が除去食の献立について十分な対応ができなかったということをお聞きしましたが、学校給食関係職員に対する研修はどうされているか。以上、教育長にお尋ねします。  福祉問題の最後に、健康ブームの裏に隠れた感染症問題についてお尋ねします。  昨今の温泉ブームはすさまじいものがあり、各市町村は地域おこし、地域振興の面からも保養施設を建設しております。熊本市でも温泉を初めとして昔ながらの銭湯などの入浴施設が多数あり、日本人の入浴好きとも相まって、朝夕を問わずにぎわっております。
     近ごろは若い人たちの利用も多く、結構なことだと思います。私も近くに入浴施設が建設され、利用させていただいております。入浴客ともなじみとなり、世間話で気持ちが和みます。  そのような会話の中で、ある入浴施設でレジオネラ菌の感染で保健所の検査を受けたなどの話を聞いた直後に、新聞に銭湯の湯を誤って飲んだ男性がレジオネラ肺炎で呼吸困難で死亡したという記事を見ました。以前にもレジオネラ菌による死亡が報じられたことがあり、当時レジオネラ菌について辞書等で調べたことを思い出した次第です。  レジオネラ菌は自然界に広く生息している菌で、菌にまじった湯気やちり等を吸入して感染し、免疫力の低下した高齢者などが感染し、肺炎などの原因となる細菌だそうで、高齢化が急速に進展している日本で注意すべき病原菌と言えます。この細菌が増殖し、感染しやすい施設の衛生管理と啓発を徹底することは大切であります。  そこで、現状と問題点についてお尋ねします。  平成11年4月に感染症新法が施行されましたが、新たに新法が施行された目的と内容についてお伺いします。  2点目、現在、公衆浴場法の適用施設に対しての衛生管理の基準と、どのような指導をされているか。指導に従わないときの罰則はあるのか。  3点目、公衆浴場法の適用除外施設、例えば高齢者の福祉施設、病院、旅館及びホテル、特定建築物の冷却塔、プール、24時間ふろや加湿器などについて、衛生管理や指導及び啓発はどうされているか。  以上、3点について健康福祉局長にお尋ねします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  保健福祉問題について中松議員にお答えいたします。  議員御案内のように、平成14年度から精神障害者居宅生活支援事業、いわゆるホームヘルプ、ショートステイ、グループホームが市町村の業務としてスタートいたします。  1点目の精神障害者の概数についてでございますが、熊本県の推計によりますと、本市の精神科医療機関利用精神障害者数は平成12年3月末現在約 9,800人となっております。  次に、事業の進め方と運営主体についてでございます。  日常生活を営むのに必要なサービスを提供するホームヘルプにつきましては、当面熊本市福祉公社を運営主体として考えております。また、居宅で介護を受けることが一時的に困難となったときに利用するショートステイにつきましては市内に1カ所、また共同生活を営む住居で日常生活の援助を行うグループホームにつきましては5カ所ございますが、いずれも保健福祉センターを相談、申請の窓口として考えております。  経費につきましては、3事業で約 2,400万円を予算計上しております。  ホームヘルプの雇用者数につきましては、直接の雇用ではございませんが、精神保健福祉の研修を受講された福祉公社のホームヘルパー20名で対応してまいりたいと思っております。  次に、2点目の保健所と福祉機関との役割と連携のあり方についてでございます。  本市は平成14年度から、精神を含んだ障害者施策を同一部署で行えるよう、組織の再編を予定しております。保健と福祉が一体となった体制の中で、一層の精神障害者の立場に立った支援を進めていく所存でございます。  次に、要介護認定の1次判定についてのお尋ねでございます。  議員御案内のように、1次判定ソフトにつきましては幾つかの問題点があり、特に痴呆性高齢者の認定については介護の実態を反映していないという指摘がなされております。  そこで、本市としましては、最終的な要介護認定が介護実態に合うように、1次判定を補う幾つかについての対応を行ってきたところでございます。例えば認定調査におきましては、火の始末や昼夜逆転等の問題行動があるときは、より詳細な調査を実施することで介護の手間とのかかわりを明らかにしているところであり、また同居の家族等が介護をしているときは、介護者から見た日ごろの状況を十分に聞き取り、その内容を特記事項に記載する等を行っているところであります。  なお、2次判定の審査につきましては、痴呆についての専門的見地からの意見を反映するため、介護認定審査会委員として精神科医の参加を図っているところであります。  現状の痴呆性高齢者の介護につきましては、国において高齢者痴呆介護研究センターの設置や痴呆性高齢者介護の専門家の養成等が緒についたばかりのところではありますが、これから痴呆性高齢者の介護は充実していくものと考えております。  なお、1次判定ソフトにつきましては、一昨日、西議員にお答えいたしましたとおり国で改定中でありまして、平成15年度から新しい認定ソフトとして稼働する予定となっております。  第2点目の在宅サービスについてでございます。  介護保険の理念の一つは在宅生活重視であることは御案内のとおりですが、たとえ介護を要する状態になったときでも、長年住みなれた地域で暮らしていけるようにすることが求められております。  そのためには、介護保険制度による介護サービスはもとより、地域住民やボランティアによるサービスなどが、利用者の状況に応じて多元的に提供できる地域システムが必要となってまいります。  このような観点に立って、平成14年度から本市は5つの保健福祉センターに基幹型在宅介護支援センター機能を置くこととしております。これから地域型在宅介護支援センターを通じた実態調査や介護予防プランの導入による本格的な介護予防対策を実施するとともに、医療、福祉関係者や地域住民から成る地域ケア会議を設置して、処遇困難ケースに対する対応等を講じることや地域ケアのあり方を検討してまいります。  このような中で、高齢者の健康づくりから介護に至る地域の在宅ケアの一層の展開が図られるものと考えております。  続きまして、アレルギー対策についてお答えします。  近年、国民の3人に1人は何らかのアレルギー症状を持っていると言われておりますが、本市におけるアレルギー患者数につきましては十分に把握できていないのが現状でございます。  しかし、保健福祉センターにおける3歳児健診のときの状況を見ますと、平成12年度は受診者 6,177名のうち、アトピー性皮膚炎 176名、アレルギー性鼻炎45名、ぜんそく42名であり、過去3年間はこのような状態を示しておりました。  特別なアレルギー検診としては実施しておりませんが、このように乳幼児健康診査の中で対応しているところであります。  次に、相談指導についてでございます。  主にアレルギー疾病そのものの相談、治療は医療機関で行われておりますが、乳幼児については保健福祉センターで1歳6カ月健診、あるいは先ほど申しました3歳児健診の際に医療相談に応じておりますし、生活相談、栄養相談などの対応を行っており、必要に応じて医療機関の受診を勧めているところでございます。さらに、地域における子育てサークルなどのときにも個別の相談に乗っております。  なお、今年度は食物アレルギー研修会を保健分野のみならず、学校給食関係者等も対象に実施しまして、職員の資質の向上に努めてまいりました。  また、食物アレルギーへの直接の対応として申し上げますと、保育園では入園の際、家庭状況及び食事状況調査でアレルギーの有無を確認して対応しておりまして、平成12年7月に行った給食におけるアレルギー除去食等の調査結果によりますと、88園で208 人の園児に除去食や代替品等での給食を実施しております。  今後とも、食物アレルギーを持った園児のいる保育園に対しましては、除去食などで適切な対応を指導してまいりたいと考えております。  国におきましては、平成12年度から国立相模原病院内にアレルギーに関する臨床研究センターを設置するとともに、病因及び病態の解明、治療等の研究の推進を図っておりまして、自治体職員を対象とする免疫アレルギー疾患に関する研修会が開催されております。  このような研修会に参加するなどして、今後広く情報を収集し、さらにアレルギー疾患の啓発や相談体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  最後に、感染症対策についてお答えいたします。  第1点目にお尋ねの感染症新法の制定目的ですが、感染症を取り巻く環境が近年大きく変化し、また新興感染症の出現などに対しまして確実で迅速な対応が求められたことにその目的があります。  内容としましては、感染症に関する情報の収集や入院患者への適切な医療の提供等が規定されておりまして、その中で議員御提示のレジオネラ症は、第4類感染症として、診断した医師が7日以内に管轄する保健所に届け出る疾患として規定されたところでございます。  第2点目の公衆浴場に対する衛生基準と指導状況についてですが、厚生労働省通知の衛生等管理要領及び水質基準等に関する指針に基づく立入検査や水質検査等を実施しまして、その結果により消毒の徹底や清掃の励行等の指導を行ってきたところでございます。  なお、指導に従わない場合、公衆浴場法に基づく罰則の適用はありませんが、基準に合致するよう改善を図らせ、自主的な衛生管理を確立するよう指導してまいります。  第3点目の公衆浴場以外の施設につきましては、厚生労働省監修であります新版レジオネラ症防止指針によりまして、公衆浴場と同様の指導を行っております。  今後は、特に老人福祉施設、病院等の指導徹底に力を注ぐ所存でございます。  また、家庭における加湿器等につきましては、市政だより等で使用上の注意点に関する啓発等を行ってまいります。  レジオネラ対策は、まさに消毒の徹底、清掃の励行が基本でございますので、今後ともこの指導を強力に進め、防止に努めてまいりたいと考えております。          〔田尻紘教育長 登壇〕 ◎田尻紘 教育長  学校や幼稚園におけるアレルギー対策についてお答えいたします。  現在、何らかのアレルギー症状を持つ子供の実態につきましては、入学前に行う就学時健康診断や年度当初に行います定期健康診断、あるいは家庭訪問や保護者からの情報等によって把握に努めております。  その結果、ぜんそくやアレルギー性結膜炎等で医療機関の受診が必要な子供につきましては、保護者への連絡等を行っております。特に約2%の児童・生徒に見られる食物アレルギーにつきましては、学校を挙げて適切な対応ができるよう、学校と家庭との連携を密にした指導を行っているところでございます。  次に、食物アレルギーに対する学校給食の対応でございますが、学校におきましてはアレルゲンとなる食材を取り除いたいわゆる除去食の提供や、場合によっては弁当を持参していただくなどの対応を行っており、本年度の場合、約 120人の児童・生徒に除去食で対応をいたしております。  なお、使用する食材につきましても、本市学校給食会の物資購入委員会におきまして、アレルゲンを含まない食材を選定できるような配慮をしているところでございます。  最後に、職員の研修についてでございます。  これまでの研修は、学校栄養職員のみを対象とした研修を行ってまいりましたが、本年度からは保護者の方々からの情報を生かしながら、校長、学校栄養職員、養護教諭、給食技師にその対象を広げております。  教育委員会としましては、全職員がアレルギーに関して正しい知識を習得し、共通理解を図りながら、子供たちが楽しい学校生活を送れるよう、さらに指導の徹底を図ってまいりたいと存じます。          〔17番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  今回、精神障害者にも身体障害者や知的障害者と同様に、ホームヘルプサービス等の福祉事業がスタートしたことは、取り残された感があっただけに、対象の家庭にとっては朗報です。十分な啓発をしてほしいと思います。  アレルギーに悩む子供たちは親子ともに大変に苦労しています。学校等においても当事者の立場に立ったきめ細かい対応をされることを要望します。  また、レジオネラ菌を初めとする感染症対策では、高齢化が進展し、体力が落ちた人に感染しやすいようですので、福祉施設や病院などの検査体制の強化、指導をお願いいたしまして、次の質問に移ります。  電子市役所へ向けた整備について質問いたします。  このことについては、西議員よりこの構想の全体像や庁内の推進体制について質問があっており、当局からの答弁もありますので、触れられなかった部分で私が特に気にかかる点について質問いたします。  国は高度情報通信ネットワーク社会形成法、通称IT基本法を平成13年1月に施行し、各自治体に対しITの活用を進め、行政の簡素・効率化や住民サービスの向上を図るように求めています。  また、IT施策の基本戦略として、世界最先端のIT環境の実現に向け、必要な制度改革や施策を5年間で緊急・集中的に国家基盤を確立し、電子政府、電子自治体の実現を目指すとしています。  このことにかかわって次の2点についてお尋ねします。  国の制定した通称IT基本法及びe−JAPAN戦略をどのように受けとめ、どう評価されていますか。  2、電子システムの恩恵を受けにくいと思われる高齢者や障害者に対しての措置など、どのようにされるのか、総務局長にお伺いします。  次に、図書館の取り組みについてですが、多種多様な資料や書物が整理、保存され、だれでも自由に利用できる図書館は知識の宝庫であり、地域文化の向上、人々の生活を豊かにし、学校の総合学習に対応するための資料提供や高齢化社会に対応するためにも大きな役割を果たします。  各都市を視察する折に図書館を見学しますが、中心市街地の複合施設に図書館があり、老若男女でいっぱいです。図書館本来の業務のほかに、映像資料、文書資料とその機能が拡大しています。現在の市立図書館は手狭で社会情勢に対応できにくくなっています。  現在、財政が厳しい折ですが、将来の図書館、これは現在の場所からの移転を含めて、そのあり方とIT化に向けた取り組みについて市長にお伺いします。  同じく図書館について、図書館同士の相互利用についてお尋ねします。  先日、熊本学園大学に本の貸し出しをお願いに行きましたが、許可されませんでした。各図書館がすべての書籍や資料をそろえることは現実に無理ですので、機能分担を図り、相互利用を図るシステムの構築が必要なことだと考えます。  ハード的なシステム構築は、現在のIT技術によれば不可能なことではないと思われますし、さらに周辺市町村を含めての公立図書館、大学の図書館等の相互利用が可能となれば、市民に大きなメリットとなると思います。そうした相互利用についての考え方や課題、今後の展望についてお伺いします。          〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  将来の図書館のあり方とIT化に向けた取り組みについての御質問でございます。  図書館のあり方につきましては、平成3年に図書館建設計画委員会が設置されまして、平成4年4月に前の市長に答申をいただいておるところでございます。その中に、図書館のあり方につきましては、まず全市民を対象とし、愛される図書館でなければならない。2番目に、生涯学習を支援する図書館でなければならない。3番目に、高度の情報要求にこたえられる図書館。4番目に、国際化に対応できる図書館。5番目に、郷土の文化を保存、継承、発展させる図書館。6番目に、市民の交流サロン機能となる図書館。7番目に、議員からもお話のありました、市内あるいは都市圏のあらゆる図書館の中枢機能を持つ図書館ということが答申されておりますけれども、私も全くこのとおりだと思います。  しかし、ここで、今までの図書館の概念は大体入っておりまして、現在の熊本市の大江の図書館につきましては、私どももよく高齢者の方々から、「公共の乗り物で行くと、どこでおりたらいいか」とかいろいろ聞かれるんです。なかなかとっさに答えることができない非常に不便な図書館だなというふうに前々から思っておりました。  それともう一つ、印刷媒体を通じて情報を得るというのが今までの概念の図書館だろうと思いますけれども、現在の大江本館には45万 5,261冊、公民館、その他全部入れますと、80万 1,259冊の所有図書になっております。この答申では 100万冊に耐える本館をつくれと書いてありますが、今思いますと、やっぱり印刷媒体の図書につきましても、 100万冊で足りるのかなという思いがいたしております。  しかしながら、議員お述べになりましたIT化の問題であります。IT基本法が平成13年ということでございまして、この答申書を見てみますと、IT化の部門では、CD−ROMによるもの等いろんなことが書いてありますけれども、ITを見据えたという問題からとらえますと、この答申書はIT化の方は8分の1ぐらいじゃなかろうかなという思いがいたします。  そこで、この答申をいただいた構想によりますと、立地条件、その他についての注文、あるいは建物の構造、意匠、機能等についての注文はあっておりますけれども、具体的にどこで、どういうふうにという基本計画的な部門までは触れておられないわけであります。これもこの基本構想答申後には自然消滅しておるというふうな状況と聞いております。  そこで、この委員の皆さん方がそのときに視察をされました。その当時立派な図書館と言われておりましたのが、名古屋の図書館と徳島の図書館となっております。現在、私が参りました佐賀の図書館──確かに構造上からいきますと低層の方がいいと いうふうに書いてあります。佐賀の図書館も低層で広々としたところにありますけれども、見てみますと、いわゆる印刷媒体の部門とIT化の部門、スペース的に見ますと6対4ぐらいで、IT化の方が6というふうに見ました。  最近では仙台市立の大変すばらしい図書館ができたと聞いております。見たことはございませんけれども、総工費 170億かかったとかいうことであり、ほとんどがIT化ということであります。そして、県内全部を網羅した中枢機能を備えておるということでございまして、県の方が逆にランニングコストを補助するという図書館だそうでございます。  そうなりますと、名称にいたしましても従来の図書館でいいものだろうか、情報館になるのではないのかなという気もいたします。大変すばらしくできておりますこの基本構想ではございますけれども、平成4年から今までの期間、IT化が大変進んでおりまして、IT化を見据えたものからいきますと再検討を要するんじゃないかなという思いをいたしておりますので、平成14年度にこの建設委員会を再編成いたしまして、基本構想につきましても再検討していただき、そしてでき得ることであれば基本計画までやっていただきたいと思っております。そういった組織を14年度につくり行動を開始したいと考えておりますので、議員各位の御支援をよろしくお願い申し上げます。          〔古川康総務局長 登壇〕 ◎古川康 総務局長  電子市役所に向けまして2点お答え申し上げます。  まず、第1点は、IT基本法及びe−JAPAN戦略についての御質問でございますが、これをどう受けとめ、どう評価するかという点でございます。  IT基本法はあらゆる分野にわたりまして基本的な取り組みを掲げておりますが、中でも地方公共団体に課せられました責務に関する部分につきましては、議員がお述べになられたとおり、住民サービスもしくは行政の簡素効率化がうたわれているところでございます。  このことは本市が現在取り組んでおります行財政改革と相通ずるものであり、本市が直面します厳しい財政状況や個別化しつつあります市民ニーズを考えますときに、まさに時宜を得たものであると、そのような国家戦略であると受けとめております。  したがいまして、本市といたしましては、これを絶好の機会ととらえまして、昨年10月に総務省から出されました電子自治体推進プログラムに沿いまして、積極的に電子市役所を構築していきますとともに、熊本市が掲げております課題に対しましても独自の施策を取り組んでまいりたいと考えております。  2点目の、高齢者や障害者に対してどのような対応をするのかという点でお答え申し上げます。  多くの高齢者、障害者の方々を初めとしたいわゆる潜在的な情報弱者と申し上げますか、弱い立場の方々に対する対策は、ただいまお答えしました本市独自の取り組みの一つでございます。  昨年10月、「くらしとインターネット」というテーマについての本市の市民意識調査によりますと、家庭あるいは仕事の面でインターネットを使っている人の割合は約30%となっております。したがいまして、残る70%の方々がインターネットを使っていらっしゃらないということになりますが、これらの中にはパソコンを持っていらっしゃらない方、またはパソコンを操作できない方、あるいは身体的なハンディキャップに対応したパソコンがないなど、さまざまな理由があると考えられます。  このような中にありまして、いわゆる電子市役所を構築していく上では、だれでも、いつでも、どこからでもといいましょうか、そういうことを基本とした場合に、この70%余りの市民の方々をいかにサポートしていくかということが大切であろうと考えています。  このための具体策といたしまして、この3月で終了することとなっております国の委託事業でありますIT講習会を来年度以降も、緊急地域雇用創出特別交付金事業を活用することによりまして継続したいと思っております。基本的には市内の各公民館を核といたしまして、地域のITリーダーを育成し、そしてIT講習会のインストラクターとして活用していただくと。またはIT操作に困ったときの相談窓口を設けますなど、きめ細かな支援をしてまいりたいと考えております。  さらにはまた、昨年6月に本市と交流提携をいたしました九州東海大学と連携し、電子市役所のいわゆるユニバーサルデザイン化のために、例えば街頭端末での有効性を実際に検証してもらったり、個々の障害を補い得るパソコンを調査、研究していくなど、それらの結果をもとにしまして具体的な対策を講じてまいりたいと考えております。  このように、電子市役所の実現に向けていろいろと取り組んでまいりたいと思いますが、より具体的なことにつきましては、平成10年3月に策定いたしました本市の情報化実施計画を見直す中で明らかにしてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解をよろしくお願いします。          〔田尻紘教育長 登壇〕
    ◎田尻紘 教育長  図書館の相互利用についてお答えをいたします。  公立の図書館や大学の図書館等各図書館は、その性格に応じて利用範囲を設定し、個人貸し出しを行っているのが現状でございます。  そこで、このような個人貸し出しが受けられない利用者へのサービスとしまして、公立図書館や大学図書館等、県内の全図書館が加盟する熊本県図書館連絡協議会をつくって協定を結んでおります。相互貸借あるいは各図書館間で相互に資料の貸し借りができる制度でございます。  具体的に申し上げますと、ある市民の方が個人貸し出しを受けられない大学等の図書館の資料を利用したい場合には、自分が通常利用されている図書館に申し込んで、当該資料を借り受けることができる制度でございます。  この制度自体が一般の市民の方々にはなじみが薄いと思われますので、今後は貸す側、借りる側双方に対してPRの徹底を図ってまいりたいと考えております。          〔17番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  電子市役所へ向けた整備は時代の趨勢であり、このような事業推進に当たって大切なことは、高齢者や障害者のように恩恵を受けにくい方や弱者に対しての配慮だと思います。ITのインストラクターを公民館に常駐させて相談に応じたり、各家庭に訪問するなどのサービス施策を図りたいと答弁いただいておりますが、ぜひ実現していただきたいと思います。  ただいま市長さんより、思いと、それから今後の対応についてお言葉をいただいたわけでございますが、14年度中には基本構想の練り直しをやるような研究会も発足させたいということでございますので、立派な図書館が熊本市に誕生するように御尽力いただきますようお願いしたいと思います。  図書館については、読みたい書籍や各種の資料提供だけの機能から、IT化、AV、各種の研修、さらに市民大学等の講座の開講、市民センター等の代行業務に近いことから、さらに交流の場へと大きく変わりつつあります。時代の流れに対応した図書館づくりをお願いして、次の質問に移ります。  古文書等史料の保存、整備についてお尋ねします。  昭和63年に市制 100周年の記念事業として始められました新熊本市史編さん事業も、本年刊行予定の通史編2巻、年表索引の1巻、計3巻の発刊とともに、この歴史的事業は一定の役割を終えることになります。  この市史編さん事業は後世に歴史、文化、産業等を継承し、あすへの糧としての重要な役割を果たすものとして大きな意義があります。  この編さん事業にかかわって中心的に進められました市史編さん委員の皆様、市史編さん室の職員、多くの執筆者の先生方、さらに厳しい財政の中で予算措置をされました市長及び行政、議会の皆様、なおかつ多くの市民の皆様の御支援があって今日の大事業が進められたものと関係者の皆様に敬意を表したいと思います。  この市史編さんの過程で、多くの資料収集とともに研究が蓄積されたことも大きな成果です。今後の課題は、これらの研究の成果を市民にどのように還元していくことかと思います。  昨年8月に長野県松本市を訪問しました。松本市は全国の市町村では、ただ一つではありませんが、文書館を開館しております。市史編さん後の歴史的資料を収集、保存し、一般市民に提供しています。松本市史編さん事業開始とともに、将来、文書館開館を念頭に置いて古文書等の資料を整理、保存、検索、公開の作業を同時に進めてきており、市史刊行作業終了とともに編さん室を文書館準備室に衣がえして開館準備されたそうです。この文書館開館に当たっては、市長の理解と決断、専門のスタッフの職員が在籍したことが大きな役割を果たしたと述べておられます。  資料収集では、個人的に保存された資料とともに行政資料も多く含まれており、今後、資料の保存に当たっては、個人の古文書等の資料より行政資料の散逸が心配であるという職員の話が印象的でした。行政資料は保存期間が過ぎたものは処分されてしまう危険性が大きいということです。多くの資料を収集、保存、公開することは、情報公開が進む中で行政の大きな役割と考えます。  このことにかかわって、総務局長にお尋ねします。  市史編さん終了後、現在の組織をどのように改組されるのか、また将来、文書館または古文書館設立についてお考えをお聞かせください。  市史編さんにかかわって集められた資料はどのくらいあり、今後、整理、保存、公開をどのようにされようと考えておられるのか、行政資料の取り扱いについてはどのようにお考えなのか、またこれらを推進するに当たっての専門職員が必要だと考えますが、職員の養成についてのお考えをお尋ねします。  次に、橋梁の整備についてお尋ねします。  阪神・淡路大震災は甚大な人的、物的な被害を出し、地震の怖さ、災害の恐ろしさを知らしめ、多くの教訓を残しました。高速道路の橋脚が折れて無残な姿を露呈していたテレビの映像が目に焼きついています。  県内では10年ほど前に、菊池郡の七城町で幹線道路にかかっている橋が落ちるという事故が発生し、2人の死者が出ました。何度か車で通っていた場所でしたので、事故のことを新聞で知ったときは、地震や風水害がなくてもあのような比較的大きな橋でも落橋もあるのだなと思いました。また反面、常に川の流れが変わるのですから、橋げたに何らかの圧力が加わり落橋もあり得るし、日ごろの点検整備はどうなっているのだろうかという思いもしました。  目視では破損の状況が把握しにくいことや、法的に耐用年数や整備点検義務が明示されていないなど、日常の点検整備に盲点があるのではという思いと、特に住民の身近なライフラインが破壊される状況になっては大変なことであると考えまして、市道にかかっている橋梁の現状についてお尋ねする次第です。  熊本市は大小の河川、用水路等、多くの橋がかけられていますが、市道にかけられている橋の総数と年次ごとの建築数、耐震調査や老朽度の調査の有無、日常の点検整備、保守の状況及び今後の改修計画についてお尋ねします。  また、調査についても委託が多いようですが、今後、毎日の生活に直結する小さな橋について、地域的に集中的に調査、点検を市職員で行い、経費節減と効率化が図れないか、建設局長にお伺いいたします。  続きまして、地下水保全と雨水の有効利用についての質問を予定していましたが、他の議員の方から同様の趣旨で質問されていますので、重複する部分は割愛させていただきます。  熊本市は地下水に恵まれ、渇水などの経験がない幸せな市民と言えます。この地下水を守り、子孫につないでいくことは、私たちの世代の大切な責務です。  この豊富な地下水も涵養地域の減少、用途の拡大によりまして、地下水の涵養量が大幅に減少していることは県の調査によっても明らかです。  この現状に対処するためには、水の利用抑制と地下水への浸透量をふやすように努力することです。熊本市が設立している熊本地下水基金は、事業を推進するための重要な財源であり、より一層充実させねばなりません。家入議員への答弁をいただいていますが、地下水保全のための諸施策をより一層推進されるよう要望します。  ここで1つだけ、地下水保全と流出抑制の視点から透水性舗装の推進についてお尋ねします。  一般道路や歩道、建設予定の自転車専用道路、公園や市営住宅、各種の施設内の道路や駐車場など、透水性舗装にしてはどうかということです。透水性舗装により降雨による表面排水の抑制は当然のことですが、植物に対する影響、地中の生物の生態の改善、地下水の涵養など、本来自然が持っている環境に近づける効果も期待できると思います。透水性舗装がどの程度採用されているのか、また今後の見通しについて、建設局長にお尋ねします。  最後に、地元の問題として、清水町で建設が進められています都市計画道路清水町万石麻生田線の整備状況についてお尋ねします。  熊本北バイパスの一部開通とともに交通需要が増して朝夕の渋滞は激しく、武蔵ケ丘団地以東に計画されている県の住宅公社の団地が建設された後はさらに大変な交通混雑になるだろうと地元では危惧されています。当局もこのことを認識され、都市計画道路の中でも重要な路線と位置づけ、鋭意事業推進されています。  この都市計画道路清水町万石麻生田線は、清水東町までの早期完成に向けて日夜努力されていますが、完成後の清水東町付近の渋滞は大変なものであろうと予測されます。計画されています国道3号線までの延長の事業計画が、具体的に示されておりません。延長路線は県道や軌道が走っており、また付近には商店街もありますので、路線の決定、工法など、地元の関心は大きいものがあります。早急に試案を出して地元の意見を聞き、路線決定をしてほしいと思います。  このことにかかわって、現在進捗中の清水町万石麻生田線の整備状況と今後の見通し、さらに清水東町から国道3号線までの事業推進についてどのようにお考えか、建設局長にお尋ねします。          〔古川康総務局長 登壇〕 ◎古川康 総務局長  古文書等の保存、整備につきましてお答え申し上げます。  現在、新熊本市史編さん事業の刊行計画すべての完成を目前に迎えることができましたことは、ただいま議員の御発言にもございましたとおり、まさに編さん委員の皆様や執筆いただいた先生方を初め、議会並びに市民の皆様方の御理解と御支援のたまものと改めて厚く御礼申し上げます。  編さん事業終了に伴う御質問でございますが、収集資料の公開及び活用につきましては、去る第3回の定例会におきまして磯道議員にもお答え申し上げておりますが、まずは平成14年度に残る3巻の市史を発刊いたしまして、翌平成15年度はその収集資料の公開に向けて、資料の目録作成や所蔵者への閲覧、複写許可等の作業手続にあわせまして、どのようなシステムで広く利用に供していくか、市民の皆様方を初め広く御意見を伺いながら進めていきたいと考えております。  ちなみに、これまでに収集いたしました主な資料は、古文書類を複写いたしましたものがおよそ 250万枚、明治7年から平成7年までの新聞の縮刷版が 2,414冊、さらには資料を撮影したマイクロフィルムが約 1,600リール、そのほか 5,000冊ほどの歴史関係の書籍となっております。  公開の施設につきましては、他の都市の例を見てみますと、議員御紹介のとおり長野県の松本市を初め、幾つかの都市が編さん事業終了後、これらの資料を文書館(ぶんしょかん)あるいは文書館(もんじょかん)といった呼称の施設で保存、整備し、一般に向けて公開しているようでございます。  このことも含めまして、行政資料の取り扱いや専門職員の養成などにつきましては、今後、先行他都市を参考にいたしながら十分に検討させていただきたいと考えております。          〔吉崎新起建設局長 登壇〕 ◎吉崎新起 建設局長  中松議員、3点についてのお尋ねでございます。  まず、1点目の橋梁の現況と点検整備につきましてお答え申し上げます。  熊本市が維持管理いたしております市道橋は  これは長さ2メーター以上のもの を橋梁と位置づけておりますが、 1,818橋ございます。  これを架設年度ごとに分類しますと、昭和30年代以前に架設されました橋梁が 352橋、昭和30年代が 260橋、40年代に 455橋、50年代が 417橋、60年代以降が 334橋を架設いたしております。  議員御案内のように平成3年7月に県道橋の落下事故が発生いたしましたが、これを契機に本市でも平成5年度に、利用度の多い橋梁についてコンクリートの劣化や分離、鉄筋の露出等を診断します橋梁点検を実施いたしております。早急に対策が必要なものにつきましては適宜補修を行っているところでございます。  また、耐震調査につきましては、平成7年度において、熊本市の主な河川であります白川、坪井川、井芹川にかかる橋梁のうち、交通量の多い橋梁について耐震調査を行い、計画的に改良を行っており、今後もさらに進めてまいりたいと考えております。  また、市道橋には大小さまざまな橋梁がございますが、いずれも市民の生活に欠かせない道路の一部であります。これまでの定期的な職員による道路パトロールをさらに強化するとともに、チェックシート等による調査点検など事前予防に努め、市民生活の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。  次に、透水性舗装の推進についてお答えを申し上げます。  地下水を取り巻く環境は年々厳しくなってきております。その中で地下水へ水を還元する方法の一つとして、透水性舗装は大変効果を期待できるものと認識をいたしております。  お尋ねの使用実績でございますが、透水性の舗装材料が使用されている公共施設は、道路のほか、公園、駐車場など、面積が約6万平米の使用実績がございます。  透水性舗装は市街地街路樹の保護育成、また地下水保全、降雨時における雨水の一時貯留など、数々の効果が期待できます。その反面、強度的な問題から車道には適さないことや、工事において品質を保つのが難しく老化作用も受けやすいこと、また雨水と一緒に流れ込んだ土砂などにより透水機能が低下し、機能を保全するために維持費がかかるなどの欠点がございます。  しかしながら、透水性舗装にはこれらの欠点を上回ります環境への効果が考えられますので、歩道の舗装は原則として透水性舗装にするとともに、私道の整備や車が通らない幅員の狭い道路についても、その特性を生かしながら積極的な活用を図り、安全な道路づくりに努めてまいりたいと考えております。  次に、都市計画道路清水町万石麻生田線の整備状況についてお答え申し上げます。  議員御案内のとおり、本路線は清水町亀井から清水町麻生田に至る市北部の補助幹線道路でございます。近年、人口の増加に伴い市北部地域と市中心部をつなぐ主要道路であり、また熊本北バイパスの麻生田交差点までが開通いたしましたことにより、交通需要がさらに増大している路線でございます。  お尋ねの現在の整備状況でございますが、平成9年度の熊本北バイパスから 980メートルの区間の事業完了に引き続き、現在、清水東町まで 940メートル区間について地元の協力をいただきながら用地買収等を進め、順次工事にも着手いたしているところでございます。  その結果、進捗状況は事業費ベースで約65%と順調に進んでおります。今後も引き続き現区間の早期完成を目指しまして取り組んでまいりたいと考えております。  また、清水東町から国道3号線までの事業推進についてお答えします。  清水町万石麻生田線は現事業区間の終点から都市計画道路清水竜田線を経由し、国道3号線までつながることで整備効果が十分に発揮されるものと考えております。しかし、その間には主要地方道熊本菊鹿線や熊本電鉄との交差が生じることとなり、交差形状、構造など、議員御指摘のとおり地域や商店街などまちづくりの上でも地元に与える影響もかなり大きいものと考えております。  これらを踏まえまして、今後の道路計画につきましては、地元と十分に話し合いを行いながら交差形状等について検討を進めてまいりたいと考えております。          〔17番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  古文書館の開館は新熊本市史編さん事業の集大成です。ぜひ実現してほしいと思います。  公共事業といえば道路に目がいきがちですが、橋梁も私たちのライフラインそのものですので、日ごろの点検、整備に力を注いでほしいと思います。  透水性舗装は雨降りでも水たまりが少なく不愉快な気持ちになりません。前向きの答弁をいただいておりますので、今後とも強力に推進してください。  都市計画道路清水町万石麻生田線の清水東町以西への延長道路の試案を早急に出してください。  久しぶりの質問でしたので、質問項目もいろいろと考えましたが、大したものとなっていないようで、もっと勉強せねばと思います。  三角市長には3期目の出馬表明をされました。政治家は結果責任です。御健闘を心からお祈りいたします。  最後になりましたが、執行部の皆様には誠意を持って御答弁いただき、また議員の皆さん、傍聴の皆さんには、長時間御清聴をいただきありがとうございました。  これをもちまして私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○岡田健士 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                            午前11時58分 休憩                            ───────────                            午後 2時02分 再開 ○白石正 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○白石正 議長  質問を続行いたします。鈴木弘議員。          〔20番 鈴木弘議員 登壇 拍手〕 ◆鈴木弘 議員  公明党市議団の鈴木弘です。1年ぶりの登壇となります。3月定例会最後の一般質問となりました。2時間を少々過ぎるかもしれませんので、よろしくお願いいたします。  それでは、質問通告の順を一部変更して質問してまいります。  まず初めに、国際化についてお伺いをします。  日本には現在 170万人を超える外国人が居住し、ふえ続ける一方で、外国人に不当なあるいは不条理な差別を強いている制度、習慣がたくさんあります。日本は長い間、鎖国をしていたためまだその意識を引きずっていて、そうした問題の存在に気づかず、「おかしい」と言われて初めて「そういえばおかしい」と気づく状態です。今の日本はそんなおかしな実態を一つ一つ時間をかけて直していく、融和、共生という時代に向けて格闘している時期なのだという気がします。  これを時代の大きな潮流としていくためには、まず、気づいた人が周りの人を納得させる努力をすることが必要です。例えば、日本の地域社会では消防団の減少が大きな問題になっています。しかし、地域で生活する外国人が希望しても、国の見解では外国人は消防団員になることができません。  戦後50数年たってもこうした問題が横たわっている背景には、やはり日本人が置かれた歴史や環境の特異性があると思います。特にマイノリティー(少数派)に対する対応が非常に弱い。それは、日本人は民族意識が大変強く、政策的にも同化政策をとってきたことが大きいと思います。  日本は95年に人種差別撤廃条約を批准し、その後、国連が日本政府の遵守状況をチェックする審査がジュネーブで開かれました。その会議では、アイヌや在日韓国、朝鮮人の問題をめぐって、社会の多様性をどうとらえているのかという点が指摘されました。また、社会に対して正しく啓発する努力が欠落していることも取り上げられました。さらに、日本では国内法で人種差別が犯罪として規定されておらず、条約批准後も法律の改正を行っていないことも問題となりました。  差別を許す社会は病める社会であり、その精神の根は臆病と言われています。私たちの意識革命が大切であり、真剣に考えなくてはいけない課題です。  最近よく参画という言葉が使われます。外国人を含めて住民が行政のモニターや審議会の委員になる、そうした流れが広がっています。このように外国人も自分たちにかかわる問題の政策決定過程に参加できる機会が保障されつつあります。  ロシアの文豪トルストイが、「人が子供から青年へ、そして大人へと成長していくように、国や社会も子供の社会から大人の社会へ成長しなくてはいけない」と指摘しています。共生の社会、多様性を認め合う社会、それが本当の意味の大人の社会であり、寛容と共生、人道と人権の先進国が日本が目指すべき国際化であると考えます。  幾つか自治体の国際活動の推進例を紹介します。  東京の町田市ではブータンに消防車を贈ったところ、ブータンから感謝の手紙が送られてきました。その手紙が市内の学校で紹介され、子供たちは地理の授業のときにブータンが出てきたら、「あ、ブータンだ」と大騒ぎだそうです。  また、モンゴルと交流している板橋区の成果もすごいと思います。ここは印刷出版の工場が多いのですが、不要になった裁断後の余り紙をノートにしてモンゴルに送ってあげました。すると、モンゴルから「教科書も」と言ってきました。それで今度はモンゴル語の教科書を刷って送りました。すると、「鉛筆も不足しているのでは」という提案があり、区内の中学生から鉛筆を集め送りました。  そうした過程の中で、中学生の友好団がモンゴルを訪問したり、モンゴルの難病の子供が板橋の病院で手当てを受けたり、さらには区内でモンゴル相撲を開催して、旭鷲山関やモンゴル大使が顔を見せたりと、すっかりモンゴル化しているということです。  このほかにも、島根県横田町とタイとの「そろばん外交」とか、これには私も微力ながら 100ほどのそろばんを贈らせていただきました。また、長野県楢川村とミャンマーとの「漆交流」といった例もあります。  現場の友情と協力に立脚した自治体の国際交流が内なる国際化を果たし、子供たちを初めとする地域の人権意識をはぐくんでいくことになるのだと思います。  農業技術を指導してくれた日本人、木を植えてくれた日本人、自動車の修理を教えてくれた日本人などとして、外国の人たちが生活感覚を伴って日本人に親近感を持つようになれば、ひいては国と国との間の深い信頼関係が構築され、それが実は日本にとって最大の安全保障であるに違いありません。  国際化について何点か述べてきました。本市行政の重要なポイントになると思います。国際化に対する三角市長のお考えをお聞かせください。
     続けて、国際感覚の違いについてお話をしたいと思っております。  永住外国人への参政権の付与は国家の基本にかかわる問題だとの論もありますが、要は日本社会のありようを今のままでよしとするのか、それとも人権の世紀と言われる21世紀型に変えようとするのかという問題だと考えています。言葉を変えれば、人が国境を越えて激しく動く時代にあって、自国民と外国人という二分論だけですべてを片づけてしまおうとする日本人の意識、社会構造を変えることが重要だと考えています。すべて国民原理でくくってしまおうとする時代は終わりつつあります。地方参政権問題とは、そうした時代の潮流に日本社会がどうこたえるかという問題ととらえるべきです。  イーデス・ハンソンさんという方がいますが、その著書の中で「会員制の国・日本人」という本があります。この国にどんなに長く住んでいようと、日本社会は外国人を仲間に入れず排除する会員制の国だと指摘しておりました。地方参政権を認めることは、外国人を地域社会の一員として正式に迎え入れることにつながります。そして、それは日本社会の閉鎖性を改めることでもあります。  キーワードは住民であります。住民というときには、日本国民も外国人もありません。同じ住民であります。実際、震災が起こったり、有害物質が流されたりすれば、そこには日本人も外国人もありません。その同じ住民としての外国人に震災について、有害物質について、地方の政治に意見が言える場をきちんと保障する。それが地方参政権の付与であると考えます。  また、国際的な人権の潮流はとどめようのない情勢になりつつあります。参政権の獲得はそうした国際社会の要請にもこたえると思うのであります。  また、帰化すればいいとの意見もありますが、その人がどの国籍を持つかはその人自身の問題であり、国や他人がどうこう言うべき問題ではありません。身近な話として日本には戸籍法と住民基本台帳法があります。熊本市民の中には本籍をそのままにしている方が多くいます。本籍を国籍と置きかえて考えてみてください。例えば、私は東京生まれです。結婚を機に本籍を熊本市に移していますが、本籍をそのままにしていたらどうでしょうか。「あなたの本籍は東京だから、熊本市での選挙権も被選挙権もありませんよ」と言われたとしたら、今ここで質問している私はありません。人生の半分以上を熊本市で生活し、納税もしてきたのに、地方自治に参画する権利はないと言われたら、これほど残念なことはありません。  卑近な例を示しながら、永住外国人への参政権付与について述べてまいりました。このことについてどのようにお考えか、やはり三角市長のお考えをお聞かせください。  最後に、外国人の配偶者の住民票備考欄記載についてお伺いをします。  現在、日本人と外国人の夫婦は国内で約30万組いると言われています。しかし、法律の規定では住民票に記載されるのは日本人のみで、外国人は配偶者であっても名前が載っていないという状況があります。  このことから、1つには、結婚していながら単身者と間違われる。2つ目に、両親がいるのに片親と誤解をされる。3つ目に、学校等から子供の合法性が問いただされる。これは教育現場の大変な問題だと思っております。4番目に、子供がいじめに遭うこともある。そして5番目に、日本人配偶者が死亡すると、就学前の子供でも世帯主に登録される等々の人権問題とも言うべき問題が発生しています。  この問題の経緯を簡単に述べると、昭和42年に当時の自治省が、住民基本台帳法第39条の規定で、外国人が実際の世帯主であっても、外国人は法の適用から除外されることから、実際の世帯主である外国人の世帯主の氏名を備考欄に記載する旨、通知がなされました。  また、世帯主でない外国人配偶者──多くの場合は外国人の妻の方になりますが、 この記載については、平成9年に広島県地方課からの問い合わせに対して、当時の自治省は「行政執務上の必要性を勘案の上、個々の市町村長の判断により記載しても差し支えない」と回答し、自治省発行の窓口事務の質疑応答集の中でもその見解がそのまま掲載されました。しかしながら、この見解は特に周知徹底がほとんどなされていないため、市町村窓口での記載拒否が依然として続いているのが実情です。  こうしたことから、昨年、我が党に対し関係者の強い要望が寄せられました。党として総務省に改善を強く求めた結果、13年10月号の「住民行政の窓」で、「当該住民から要望があった場合には、原則記載することが望ましい」との見解が掲載されました。しかしながら、残念ながら通知にはまだ至っておりません。  また、先月、2月28日、衆議院総務委員会での公明党の質問に対し、若松総務副大臣は、本人から申し出があった場合は住民票の備考欄に外国人配偶者の氏名を記載するよう、全国の自治体に文書をもって徹底する方針を明らかにしました。  そこで、お伺いをいたします。  本市の外国人配偶者のいる世帯はまずどれぐらいなのでしょうか。本市の備考欄への記載は、外国人世帯主及び外国人配偶者の場合、どのように扱っているのでしょうか。また、記載を望む要望もあると考えますが、いかがでしょうか。もし記載を拒否しているのであれば、その理由は何なのでしょうか。担当局長にお伺いをいたします。          〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  私は常々、人と人、心と心の触れ合いを基本に、広く世界の国々と多様な交流をしていくことが、世界平和ひいては市民生活の向上に資するものと考えており、推進に当たっては、人権感覚、国際感覚豊かな人づくり、国際化に対応したまちづくり、国際社会への貢献を基本目標に本市国際交流の推進に取り組んできたところであります。  私自身、市長就任以来、さまざまな国際大会や諸外国訪問などを通じて、各国大使や多くの要人と親しく懇談する機会に恵まれ、相互理解と信頼関係を築くことができ、新しい国際化施策に取り組む上での原動力、貴重な財産となっておるところであります。  このことは、例えばハイデルベルク市との交流や韓国との交流を進める上で大きな弾みとなり、また、男子世界ハンドボール選手権大会で見られたように、青少年の国際理解の場の創出にも寄与できたのではないかと考えております。  さらに、議員御指摘のとおり、本市で登録している外国人も年々増加しており、これらの外国人への対応も含め、市民の国際化への取り組みは重要な課題と認識をいたしております。  そこで、市民も外国人の方々も親しみやすく、住みやすく、活動しやすい環境づくりを進めるため、人権意識を高め、心の国際化を図ることはもとより、地域における市民との交流の機会を拡充するとともに、外国人への行政サービスの充実にも努めてまいりたいと考えております。  これからも21世紀の国際社会に対応できる青少年の人材育成に積極的に取り組むとともに、熊本に訪れてよかった、住んでよかったと思われるようなまちづくりを目指して、本市の発展と国際社会への貢献に取り組んでまいりたいと考えております。  今までこの職につかせていただいて、大変反省をいたしておることは、英語ができないことと、書道ができないことであります。特に英語は、太平洋環主要都市を持つ国、あるいは中国、あるいはヨーロッパでは第2外国語を世界共通の英語と定め、ほとんどの方々が英語ができられるわけであります。言葉が通じないということは、本当に心と心からの触れ合いができないというふうに感じたことが多々ありますし、また大方の外国人は、ジョークは通じても、約束事を守らないということは人間じゃないというようなとらえ方をされておりまして、日本の社交辞令というものが過去につまずいた事柄もございます。巧みに共通語をしゃべることができたならば、その社交辞令がジョークにつながっていくというようなことがあったんじゃなかろうかなという思いをしたこともございます。  やはり外国を理解する、外国人を理解するということには、世界共通語をより以上に確実に広めておかなければならないと痛感をいたしているところでございます。  また、永住外国人への地方参政権の付与についてのお尋ねでございます。  議員御案内のとおり、永住外国人地方選挙権付与法案が一昨年の国会に提出され、重要法案として審議されたものの成立に至らず、継続審議となっているところでございます。  この法案に対する賛成の立場の主張は、市民の生活に最も密着した地方自治体の選挙権は、永住資格を有する定住外国人にも認めるべきというものであり、一方、反対の立場からは、選挙権はその国の国籍を有する者が行使できる固有の権利であるなどと理由を挙げ、賛否両論の議論が行われているところであります。  このような永住外国人への地方参政権付与につきましては、国籍の関係、住民自治と国民主権の関連等、見解の分かれる大変難しい問題であり、また国民間にもいろいろな意見があるところでございます。さまざまな角度からの十分な検討が必要であろうかと思います。  いずれにいたしましても、地方行政に深くかかわる問題であり、この法案が国会の場でこうした意見等を踏まえ、十分論議が尽くされることが重要でありますので、今後の国会での審議の行方を見守りたいと思っております。  熊本市にも多くの外国人が住んでおられますけれども、御出身の国あるいは国の考え方の相違というものが、やはり住民とのトラブルにもつながっておりまして、警察の方でも非常に心配をしておられます。  その方々とのコミュニケーションというのがなかなかとりにくいというふうなこともありまして、一遍そういう形の目に遭った人たちからのお話を警察の方で把握しておられるところによりますと、非常にこの問題については厳しい問題があるというふうなことも聞いております。  世界が一つということが私も大変望んでおるところでございまして、そういう考え方が一になり、生活の環境あるいは考え方等々についても、同じ人間ということになっていけばいいなと。  日曜の朝ごとに私は大変楽しみにしておりますけれども、「ビバ地球市民、世界の指導者と語る」というふうなことを聞いておりますと、本当に世界は一つだなという思いがいたしております。いち早くそういう世界になることを私個人としては心待ちにしているところであります。          〔村上智彦市民生活局長 登壇〕 ◎村上智彦 市民生活局長  外国人配偶者の住民票備考欄記載について鈴木議員にお答えします。  本市の外国人登録者数は2月末現在で 3,206名、世帯数は 1,779世帯となっております。このうち日本人配偶者の世帯は 561世帯でございます。  外国人世帯主及び外国人配偶者の住民票備考欄への記載要望は、一部外国人配偶者からあっております。  外国人世帯主の住民票備考欄への記載についてでございますが、旧自治省から出されております住民基本台帳事務処理要領に基づいて、申し入れがあった世帯に限って事実上の世帯主を記載し、住民票の写しの発行を行っているところでございます。  しかし、外国人配偶者の記載につきましては、外国人は住民基本台帳法の適用を受けないため、身分関係の継続性を担保できない、あるいは記載を望まない外国人への影響が考えられる、そのほか、他の方法で同居の家族ということが証明できるなどの理由から要望に応じておりません。  また、平成12年3月24日、旧自治省から都道府県にあてた通知でも、「住民票の備考欄は行政執務上の資料にするためのものであり、住民票の写しの交付にあたっては、原則として省略して交付することが適当である」と記載されております。  議員御案内のとおり、この件につきまして既に衆議院総務委員会で審議され、取り扱いについて総務省から新たに通知がなされるとのことでございますので、その通知を受け、資料の正確性、市民のプライバシーの保護等も含めまして検討を進めてまいりたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  国際化についてお伺いいたしました。三角市長は英語、書道がだめということですが、日本語は大変お上手でございまして、特に心のわかる表現をされる市長だなというふうに感じております。  また、三角市長になられてから本市の国際化はスピードアップしたのではないかと感じております。これからもさらに心の国際化が重要になってまいりますので、よろしくお願いしておきます。  また、永住外国人については、現実の問題とそしてあるべき希望との間で揺れる心の模様が見てとれたわけですが、世界の指導者と語る中で、やはり世界が一つになっていく思いを持たれているのだということを実感いたしました。  外国人配偶者の住民票備考欄への記載の件でございますが、質問の中でも御指摘をいたしました。2月28日の総務委員会で副大臣が通知をするということでございましたが、本日15日、総務省自治行政局市町村課長名で総行市第40号ということで、各都道府県総務部長あて通達がなされたところでございます。これが通達文書でございますけれども、ちょっと御紹介します。  住民票の備考欄への外国人配偶者の氏名の記載について。前段で状況を書いた後に、中段の方ちょっと御紹介します。住民票の備考欄への記載については、個々の市町村長において、今までは行政執務上の必要性を勘案の上、判断することとなりますが、これが根拠になっておりましたが、本例のような世帯構成について把握しておくことは市町村における行政の効率的な運用に資するものであるとともに──これが1つ目の理由です──住民の利便向上にもつながるものと考えられることから──これが2つ目の理由です──当該住民から──これは外国人配偶者のことですが──要望があった場合については、外国人の配偶者の氏名を住民票の備考欄に──この後が重要になります──原則として明記することが適当であるものと考えられます。  こういうことで通知が参りました。18日以降に県の方に通達文書として届いて、市町村にも来ると思います。玉名市でも4月の実施に向け記載をしていくという方向を聞き及んでおります。本市での早期実現を期待しておきます。  続けて、行政改革についてお伺いをいたします。  現有施設の活用と市民の目線に立った行政の確立について提案を含めお伺いします。  戦後復興期、経済成長期を中心に、これまで国の各省庁の補助金を活用して本市でもさまざまな施設が建設され、都市基盤整備がなされてきました。しかし、これら施設も市民ニーズが大きく変化する中で、必ずしも地域が望み、地域に必要な事業が展開されているとは限らなくなっています。  さて本市では、地域施設だけで見ても、公設公民館、地域開放型施設としての地域公民館、コミュニティ施設、地域福祉コミュニティセンター、老人憩の家、ホール、会議室が設置されています。このほかにも勤労青少年ホーム、勤労婦人センターなど、各局で多くの施設が建設されてきました。  よく市民から「身近なこの施設が地域で活用できたら」とか、「市民サービスの窓口があったら」とかいう話を聞きます。現在、本市では30の校区と 800弱の町会があります。それぞれの校区、町会からいろいろな施設の要望が数多く寄せられていることと思います。  そこで提案ですが、まずは現在ある本市のすべての施設について、その所轄、条例等による設置目的、現在の運用、活用状況を精査し、その上で校区、町会の要望も考慮しながら、地域の特徴に合った現有施設の活用を考えられてはいかがでしょうか。例えば極端な例ですが、本庁の一室を地域公民館として活用するなども考えられます。  三角市長がまず最初に整備されたものに、コミュニティー・カルテ・システムというのがあります。これは熊本市のホームページでも公開されておりますが、校区、町会ごとにそのまちの特徴と各施設の配置状況が地図に落とされています。こういったシステムも活用して、地域に合った現有施設の活用を図られてはどうでしょうか。  要望があっていても、建設できなかった施設が現有施設の開放で要望にこたえられることも期待されますし、さらに今後の本市の各施設の建設費の抑制も図られると考えます。担当局長のお考えをお聞かせください。  続けて、市民の目線からの組織の改編についてお伺いします。  過日、高齢者の住民票移動の手続を見ました。まず、移動届がなされます。次の手続が9番窓口での国民健康保険の記載になります。そして、その後に10番窓口での高齢者医療証の記載、そしてさらに最後には、6階での介護保険証の記載となっていました。4カ所を回り、数時間を要していました。ワンストップサービスがなされていない実例です。効率のよいワンストップサービスの実現を望んでおきます。  このほかにも昨年、本市の失業対策事業の廃止により、道路維持や公園管理などの対応が遅くなったとの声も聞きます。東西道路センターは建設局、公園管理センターは都市整備局が所轄し、それぞれの維持管理業務を行っていますが、それぞれの所轄業務に縛られているのが現状のようです。  例えば、例年起こる水害のときに、たまたま公園管理センターの職員が出動していたとして、近くの道路に異常があった場合、所轄が違うのでと退去するわけにはいきません。このように考えると、現場に臨んだ職員が動きやすいように業務を一元化してはどうでしょうか。  また、昨年、保健と福祉が統合されましたが、現場と本庁、また本庁間での保健業務と福祉、介護といった業務の連携もうまくいっていないように感じます。  そこで提案ですが、昨年の大幅な部局の再編を踏まえ、市民の目線に立って業務を見直し、市民のニーズに合った行政事務、サービスの提供を前提とした組織の改編をされてはいかがでしょうか。具体案があればお示しください。これも担当局長にお伺いをいたします。          〔齊藤聰企画財政局長 登壇〕 ◎齊藤聰 企画財政局長  お答えをいたします。  市の公共施設は、条例でそれぞれに設置目的が定められており、施設の管理運営もそれに沿った形でなされております。例えば議員御案内の公設公民館は、社会教育法の規定に基づき住民の生活に即した教育、文化に関する事業を行うとなっておりますし、老人憩の家は高齢者の心身の健康の増進、また勤労青少年ホームは勤労青少年の健全な育成と福祉の増進をその第一の目的としているところでございます。  このように個々の施設にはそれぞれの存在の意義があり、それに基づく運営がなされているところでございますが、その運用に当たりましては、これまでもできる限り地域の実情に応じた弾力的な対応に努めてきたところでございます。  申すまでもなく、これからの市政の運営におきましては、市民の目線に立ち、そのニーズを的確に施策に反映させていくことが大きな課題となってまいります。また、もはや右肩上がりの行財政運営が見込めない中、現有施設の一層の活用を図るべきことも議員御指摘のとおりであります。  そこで、本市施設の管理運営におきましては、御提案のコミュニティー・カルテ・システムの活用を図りながら、まずは14年度に現有施設の利用の実態把握に努め、その上で地域の実情に応じたさらなる利便性の向上と有効な活用に取り組んでまいりますので、議員各位の御指導、御協力をよろしくお願い申し上げるところでございます。          〔古川康総務局長 登壇〕 ◎古川康 総務局長  市民の目線からの組織の改編についてお答え申し上げます。  ただいま議員もお述べになりましたように、直営事業就労者の雇用が昨年度末をもって終了しましたことに伴いまして、道路や公園あるいは水路等の維持管理業務の多くが直営から業者委託へ切りかえられたところでございます。その過程におきまして、確かに昨年の4月から6月ごろまでは、予算措置等の関係で業者委託への切りかえが円滑に進まなかったことなどによりまして、御指摘のような市民の御要望に即応できなかったケースが一部見られたとおりでございます。御迷惑をおかけいたしました。  このような反省も含めまして、直営事業廃止後の維持管理体制のあり方につきまして、市民サービスの向上を図ることはもとより、市民の方々にわかりやすく、利用しやすい組織づくりを念頭に置いて、関係課によります検討を進めてきたところでございます。  この結果、新年度の機構改革におきまして、ただいま議員からも御提案いただきましたように、道路や公園、河川、水路などの維持管理体制を一元化し、機能の強化を図るために現在の道路センターを再編して、新たに土木センターを設置することといたしたところでございます。  この土木センターに道路、公園、河川、水路等の維持管理業務とそれに携わる職員を集約することにより、維持管理体制のワンストップ化を図りますとともに、業務執行体制の機動性と効率性を高めていくことで、市民サービスのさらなる向上に努めてまいりたいと考えております。  また、このほかの機構改革におきましても、市民にわかりやすく利用しやすい組織づくりをその基本方針といたしたところでございます。特に議員御指摘の健康福祉局の再編につきましては、高齢者や障害者の方、あるいは子育ての時期にあられる方、そのお子さんなど、対象者の状況や年齢層に応じ保健福祉サービスを総合的、一体的に提供できるよう、保健と福祉の事業部門を統合、再編することが大きな柱となっております。  例えば、子育てに関しましては、母子保健、児童福祉、児童関係の手当、さらには乳幼児医療、さらには児童虐待問題等への対応など多様なサービスがあり、これまでは5つの部署でそれぞれを所管しておりましたが、新年度からはこれらのサービスを一元的に所管する子育て支援課を新設いたしまして、サービスの質の向上とワンストップ化を図ることといたしております。  いずれにいたしましても、行政サービスの質の向上を図るためには、その実施主体となります組織体制自体の不断の見直しと改善が必要であります。  今後とも引き続きワンストップサービスの拡大を含め、利用者であります市民の目線に立ったサービス提供体制の見直しを行い、市民のニーズや社会状況の変化に即応できる柔軟で機動的な組織の整備に努めてまいりたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  現有施設の有効活用については、まず14年度に実態把握に入るとのことです。その上で本市の現有施設の有効活用が始まることに大いに期待を寄せておきたいと思います。  また、市民の目線からの組織の改編ということですが、新たに土木センターということで一元化なされるということ、さらには健康福祉局の中の一例として子育て支援センターなど、市民の目線からの改編をなされるということでございます。ともにワンストップサービスを目指しての市民へのサービスの向上を期待しておきます。  それでは続けて、交通問題についてお伺いをいたします。  まず初めに、市電の電停の改造についてお伺いいたします。  パーソントリップ調査が行われました。調査結果を見ると、自動車利用は前回の42.2%から58.2%へと依然増加傾向で、他の移動手段が相変わらず減少傾向を示しています。  公共交通機関の利用状況を見ると、バスは依然として減少傾向、その中で鉄軌道は定時制の確保や運行間隔の短縮などにより増加傾向を示しています。より快適な市電を目指して、超低床電車の導入や電停への上屋の設置、接近表示の導入、路面の専用化等々いろんな施策を行った結果として、現在市電を先に延ばす案が考えられ、未来型の都市交通と言われるLRTを目指す方向に向かいつつあります。  しかし、それまでの10年、20年、どうしても改善をしておかなければならないのが電停の問題であると考えます。特に県道高森線上の電停は余りにも危険過ぎるし、狭過ぎます。一番狭いところで約70センチになっています。今の電停にスロープをつけたりさくをつけても、根本が狭いので改善とは言えません。具体的な方法を検討しているのであればお示しを願いたいと思います。  再度、具体的提案をしておきます。1つには、サイドリザベーションの採用です。思い切って電車を歩道側に寄せて走らせる、歩道を電停として整備活用する方法です。2つ目には、電停を1つにして、片方に寄せてしまう方法です。これは健軍電停が片側になっている、全部電停にしている方法によく似ております。3つ目が、電停を真ん中に寄せてしまうというセンターアイランド方式。  提案以来3年以上がたちました。これら具体案の試算と考えをお聞かせ願いたいと思います。ぜひとも危険過ぎる電停の改良をすべきと考えますが、いかがでしょうか。事故が起きないのが不思議なくらいです。早急な対応が望まれます。  要は市民から親しまれ、乗りやすい公共交通機関としての市電を目指すのであれば、最優先の課題としてアクセスも含め、だれもが乗りやすい電停をつくるべきです。このためには、全庁を挙げたバックアップも必要でしょうし、市民へのアンケートやパブリックコメントの吸収、予算措置なども必要になります。そのための組織や検討会が必要と考えますが、いかがでしょうか。  電停改良の必要性と具体案の試算については担当局長に、組織や検討会の設置については担当助役にお伺いをいたします。  続けて、交通問題でさくらカード事業についてお伺いいたします。  今議会にさくらカード事業を現状維持する約6億円が計上されています。まず、本事業は三角市長の英断でスタートいたしました。このことを高く評価いたします。そして、本事業の趣旨に御賛同いただき、この事業が継続をできている、このことを考えると、事業者に対して厚く御礼を申し上げます。この事業を将来にわたり存続させるためには、個別具体的に提案と考えをまず述べたいと思います。その上でお伺いをしてまいります。  まず、事業効果の考え方について述べたいと思っております。  平成7年にさくらカード導入を提案した背景には、これからの高齢社会を考えたときに、元気な高齢者対策は最重要だと考えたからです。  健康寿命という言葉がクローズアップされています。平均寿命があと何年生きられるかを示す指標であるのに対して、健康寿命は自立した状態で健康に暮らせる期間を示す指標になっています。  厚生労働省は、この健康寿命を延ばすために健康日本21計画を推進しており、具体的に高齢者の3つの指標を挙げています。紹介をしますと、1つに、外出について積極的な態度を持つ人の増加、70%を目指しています。2に、何らかの地域活動を実施している者の増加。3番目に、日常活動における歩数の増加としています。  この健康寿命が延びると、介護、医療の分野で大きな効果が生まれます。例えば、健康寿命が1年延びると本市で計算した場合、介護、医療費が年間どのくらい減少するかということが推定できると思います。その上で、さくらカード事業の実施後、外出について──先ほど言った3つの指針の中の1つですが、外出について積極的な態度を持つ人がどれほど増加したかという割合を使って、本市の介護、医療費がどのくらい減少するのか推測できると思います。具体的な数値があれば、概算で結構ですのでお示しください。  また、外出行動の増加で地域経済への経済効果が期待できます。さくらカード実施後では、どの程度の効果を推定できるのでしょうか。
     このほかバス事業者にも効果が期待できます。高齢者の外出行動が増加すれば、全体の外出行動の増加に結びつきます。例えば市街地で人と待ち合わせれば、待ち合わせの人の外出行動になるし、家族と出かければ家族の外出行動が生まれます。こうした効果によって運賃増も期待できるのではないでしょうか。  次に、事業者の主張について述べたいと思います。  県バス協会の試算によると、さくらカードの利用予想額は13億円と聞き及んでいますが、委託料の6億円を差し引いて7億円損しているというのには異論がありますし、委託料の不足を裏づけるものにはならないと考えています。なぜなら、利用者数の増加はさくらカード事業が実現した効果によるからです。  バス事業の利用者は年々減少傾向にあります。詳細は省きますが、この傾向は私が20年間おった経験からして、年間3%程度であろうと思っております。交通局で見ても、平成12年度は10年前の平成3年度より13.9%も乗客が減少しています。この傾向はさらに現在も続いています。全体の利用者が減少する中、当然高齢者の利用も同様に減少していたことは、だれにもわかることです。  このように利用者が減少する中、さくらカード事業の導入で高齢者の利用者がふえました。だから、委託料では賄えないとする考えには無理があります。さくらカードの導入による事業者の新たな経費負担が起きていないという別な角度で見ても、6億円の委託料では賄えないとする考えには無理があります。  バス事業は人件費集約型の事業です。固定費が大変に大きいという意味で、7割程度が人件費という事業もあります。このことは、定期バスは乗客が乗っても乗らなくても運行せねばならず、経費は変わらないということです。  このため、さくらカードによって乗客が乗れず、大幅にバスをふやしたのであれば経費増となり、委託料不足の理由になりますが、実際はそのような事態は発生していません。さくらカードによって新たな経費の増加はあったのか、なかったのか。  この点については客観的に事業者の一人としてどうなのか、交通事業管理者にお伺いをします。  推測するに、13億円の算出根拠である平均運賃は、恐らくOD調査──これは乗客がどこから乗ってどこでおりたかを調べるサンプル調査ですが、このOD調査か、またはプリペイドカードのデータを用いて単純に計算されたものと思います。  しかし、ここには割引ということが全く考慮されておりません。これまで事業者は乗客に乗ってもらうための努力を必死に行ってきました。そして、あらゆる割引を行ってきました。定期券で見れば通勤・通学割引、さらには長期定期の割引、回数券、プリペイドカードの割引等です。実現はしませんでしたけれども、通学生を何とか呼び戻したいということで検討したのに、1年間1万円定期というのもありました。このほかにも公共交通としての使命を果たすために、障害者の5割引、同伴者割引なども実施してきました。私は、交通弱者と言われる子供運賃が半額であることや障害者割引が5割ということから、やはり5割が福祉政策としては妥当と考えます。  このように、単純な平均運賃ではなく、福祉割引も考えた半額運賃で計算すると、13億円は6億 5,000万円になってしまいます。また、別な角度として、定額6億円の委託料は、利用者数の減少で収入が落ちていたバス事業者にとって、高齢者層の減収傾向に歯どめがかかったと理解すべきであります。  回数券交付事業は、平成6年が   さくらカードの前に回数券を交付しておりまし た、この事業のことですが、平成6年が1億 7,600万円でありました。これがさくらカードスタート当時は 1.7倍の3億円の委託料、そして平成10年からは 3.4倍の6億円が支払われており、その差額は約4億 2,000万円にもなります。回数券交付事業のときは、使用し切った後の現金収入があったとの意見もありますが、回数券のときは70歳前の人が使っていても判断ができず、その分の減収があっていたと理解しています。これもさくらカードの導入で防止できるようになりました。  余談ですが、私がバス会社にいたころ、よく乗務員教育で70歳前ぐらいの人が使っているときの対応を尋ねられました。そのときに私は、名誉毀損の対象になりやすいため問いただすのは難しいと指導していたことを思い出します。  次に、事業存続の方向と今後のあり方について述べたいと思います。  事業者が見直しを求めている背景に、市は民間の苦しい台所事情を理解してほしいとの思いもあるようです。私はバスの台所事情は十分理解をしているつもりです。しかし、そのこととさくらカード事業は直結をしないと思っています。乗客が減少し続け、経営が苦しい状況をどうするかということは、バス事業の復権策として別な角度から真剣に論じなければなりません。  この対策として、私は平成8年にはPSO(パブリック・サービス・オブリゲーション)という概念を提案いたしました。要点を述べると、欧米、特にヨーロッパで取り入れられている総合的交通政策のことです。交通を教育、保健などと同じ人間社会に欠かせないサービスととらえ、財政援助、経営参画を含め交通を確保するという考え方です。  この質問に対して当時の御厨助役の答弁は、「将来の方向として幅広い角度からPSOは取り入れられるべき政策である。現状、いまだ公的な補助に関する認識は薄く、また市民の公共交通機関に対する税負担という考え方も認知されていない。海外の補助制度、財源問題など十分調査、研究したい」と述べています。  ちなみに、さくらカードの委託料とは別に、民間バス事業者には生活路線の維持費として13年度でも約1億 5,000万円が交付されていますし、市バスには超低床バス購入助成が行われています。  しかし、私はこれらは本当の意味のPSOになっていないと考えています。今こそ本格的に市民の足としてのバスをどのように残すのか、助成や運行のあり方にも参画した取り組みに着手すべきであります。  さて、事業者が提案している3つの見直し案のうち、1番目の委託料の増額についてですが、バス事業は減少傾向にあるから委託料の増額で補てんしてほしいとの主張とは別問題であることはこれまで述べてきたとおりです。  また、2番目の乗車1回に 100円の徴収、これに至っては問題外と考えています。  計算式は省きますが、事業者が13億円の根拠としている平均運賃を使うと、約7億5,000 万円もの現金が6億円の委託料のほかに事業者に入ることになります。これではさくらカードの導入の意味がなしません。   100円だからいいではないかと思われるかもしれませんが、往復で 200円、一度乗り継げば 400円にもなります。このほか1回 100円徴収は、例えば 130円区間で乗った場合、さくらカードで30円、 200円区間では 100円利用したことになり、不平等な問題となります。また、払いたい人には払わせるというのも、払わない人との差別を生む結果となり、問題があります。  3つ目の6億円のプリペイドカードの発行ですが、かつて回数券を支給していた時代は、回数券割引とさらには市に対する取扱手数料を支払っておりました。この合計が約14%になります。さらに、さくらカードになってから、回数券の印刷代や回数券の着札精算──これは毎日行っております──のための精算業務人件費が大幅に削減 されています。これ以外に、受託や先ほど述べた福祉割引という概念を考慮すべきであります。  その上で、市民の中には、市や事業者に対する感謝の気持ちから、一部でも負担をしたいと考えていただいている方々が多いのも事実であります。このほかに、一部負担をしたいと考える方たちの理由に、乗務員から冷たく見られるというのであれば、それは問題であります。  私はこうした市民の感謝の気持ちを形にあらわすのであれば、例えばさくらカード発行時に市民が自由に金額が記入できる振込用紙を渡して、後日、自由意思で自由な金額を振り込んでいただいて、それを基金としてバスサービスの改善を行う各種事業の助成に活用し、事業者に還元するというのも一つの方法であります。  あえて検討すべき問題があるとすれば、交付対象者が今後ふえることに対してどのように考えていくのかは検討の余地はあると思います。これも2010年を過ぎると、いずれとまってまいります。  今紹介をした自由意思でプライバシーも守れる方法で、利用者にさくらカード事業に参加してもらう方法であればまだしも、一律に利用者に一部負担を求めるのはさくらカード事業の趣旨からしてふさわしくないと考えますが、いかがでしょうか。  その上で、事業者とも存続を前提によく相談し、一律負担がないような無料継続での永続的な解決方法を探るべきであります。担当局長にお伺いをいたします。          〔市原敏郎交通事業管理者 登壇〕 ◎市原敏郎 交通事業管理者  鈴木議員にお答えを申し上げます。  電停の抜本的な改善についての御質問でありますが、かねてより鈴木議員からは具体的な御提案をいただいていた問題であり、交通局といたしましても懸案事項として検討を重ねてまいった問題でございます。  これまで人にやさしい市電を提供するために、道路拡幅工事が行われる機会をとらえて、随時電停の拡幅や上屋の設置に努めてまいったところでございます。御指摘は電停幅員が十分でなく車いすで御利用になれない、あるいは電車をお待ちの皆さんにとってすぐそばを自動車等が通行し危険であるといった状態であろうかと存じます。  御承知のように、電停は幅が広くかつ長く、十分なスペースが確保できることが望ましいわけでありますが、現実にはそうでなく、私ども交通局といたしましても大変苦慮をいたしておるのが実情でございます。  具体的に御提案をいただいた3点につきましては、それぞれ共通した課題として、1つに大規模な軌道の敷設がえ、2点目として電停移設を要するということがございます。  個別に見てまいりますと、サイドリザベーションにつきましては、すぐ軒先を電車が通るというような状態になりますので、その住民の方々の御意向など、そのほか道路管理者等の意向の問題が出てまいります。電停を片側に寄せる案の場合、電停部分が単線となるため──現在は御案内のとおり、市電は真ん中を走らせていただいております──そのようなことから運転保安上の問題が新たに出てきますし、また車両の改良というものが出てまいります。3点目のセンターアイランド方式につきましては、同じく車両の改造の問題と道路管理者等の意見の問題が考えられます。  お尋ねの試算でございますが、先ほど御提案の中にもございました県道高森線上で、車道が片側1車線となっております県庁入り口交差点から健軍町まで約 2.5キロの事業について、事業費を試算してみますと、サイドリザベーション化では約15億、片側電停の設置及びセンターアイランド方式はそれぞれ約29億程度の試算になろうかと思われます。このように、事業費の問題も含めいろいろ解決すべき課題が多々ございます。  交通局といたしましては、お客様の移動の円滑化がより一層図られ、だれもが利用しやすい電停を整備することは大変重要な課題と考えております。  したがいまして、今後とも道路管理者等関係機関に機会あるごとに粘り強く働きかけていきたいと存じます。議員各位の御支援をよろしくお願い申し上げます。  それから次、さくらカードの導入で新たな経費があったかという御質問でございます。  交通局の場合は、車両、人員、ダイヤなど新たな手だては講じておりません。          〔後藤勝介助役 登壇〕 ◎後藤勝介 助役  私の方からは、今の交通管理者の答弁に関連をいたしまして、電停の改良に取り組むための組織や検討会を設置してはどうかという点についてお答えをしたいと思います。  私も時々電車に乗りますが、本会議でたしか鈴木議員の御質問を聞いてからでしょうか、電車をおりるたびに電停に立つとそのことが思い出されまして、うーんというのを電停に立つたびに感じております。しかし、なかなかこの改良は難しいなというのが率直な印象でございます。  ただいま交通管理者が答弁申し上げましたけれども、いろいろな解決しなければならない課題がございます。したがいまして、交通局だけでは当然解決できませんし、全庁的に取り組む必要があると思いますし、さらにまた県道の管理者でございます熊本県あるいは交通安全等の立場から警察など、関係機関とも十分協議を行わなければならないと考えております。さらにまた、議員もお述べになりましたように、市民の皆様の御意見も聞く必要があるのではないかと考えております。  したがいまして、安全で利用しやすい電停を実現するための懸案事項について、検討する組織なり検討会の設置を考えながら、この問題に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  さくらカード事業についてお答えいたします。  さくらカード事業について、議員がただいまお述べになりましたことは、事業効果、事業者の考え方と事業継続の方策、さらには今後のあり方の3つの視点に立った御指摘と受けとめております。  議員御案内のように、さくらカード事業は、高齢者、障害者等の社会参加の促進、そして生きがいと生涯にわたる健康づくりを目的として始まったものでございます。  平成12年に実施しましたさくらカードについてのアンケート調査の結果を見ますと、多くの方が買い物、趣味、教養、友人との交流など積極的に外出されており、また昨年から利用可能になりました市スポーツ施設も 9,400人の方々が利用されるなど、高齢者の心身の健康づくりに大いに役立っていると認識しております。  議員お尋ねの事業効果については、残念ながら具体的な数値は持ち合わせておりませんが、心身の健康づくりを通して、介護予防、医療費軽減、さらには経済活性化の面でも効果があると考えております。          〔議長退席、副議長着席〕  また、本格的な高齢社会を控え、高齢者が安心で安全な移動手段として利用されている公共交通機関としてのバスや電車は、ノンステップバスや超低床電車などの導入が進んでおり、またやさしいまちづくりとしてのバリアフリーの整備などが、このさくらカードの事業効果をより高めるものと考えております。  さくらカードの交付者数につきましては、現在カードの更新手続の時期でございますが、約6万 3,000人の高齢者の方が申請されるものと見込んでおります。また、本市における65歳以上人口の割合は、平成12年度の15.9%から平成22年度には19.0%と約5人に1人が高齢者となると予測しております。  このような状況を踏まえまして、今後このさくらカード事業推進の検討にも活用するため、このたび65歳以上の高齢者を対象に、日常生活行動などについてより精査した意識調査を実施することとしております。この調査結果をもとに、市議会の御意向もお伺いしながら、熊本県バス協会を初め関係機関を交えて、今後の事業推進の具体的な協議を進めていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、将来にわたってこのさくらカード事業を円滑に推進してまいりたいと存じておりますので、議員各位の御理解、御協力をよろしくお願い申し上げます。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  市電の電停の改良については、聞きよう、話しようだと思いますが、事業管理者の熱い思いを感じとったというふうに思っております。何らかの方策を探り、一日でも早い改良が望まれます。また、概算で述べていただきましたので、恐らく精査をすれば13億、29億という額は6掛け、7掛けとなるのではないかというふうにも考えております。  後藤助役からは、この実現のために実効性のある検討を加えるため、会議なり検討会を検討していただけるとの方向でございますので、実効ある運営をよろしくお願いいたします。  さくらカード事業ですが、一事業者として交通事業管理者からは経費の増加はないとの答弁をいただきました。また、残念ながら具体的な事業効果の数値は現時点はないようです。  意識調査を実施されるとのこと、一部負担ありきといった調査ではなく、利用の現状と事業効果が推計できるような精度の高い意識調査が必要です。  いずれにしろ、福祉政策としてのさくらカードと、市民の足を確保するための事業者への支援策は別の問題です。三角市長にぜひともお願いをいたします。市民の足を守るために、バス事業の支援策を早急に検討していただきますよう、よろしくお願いいたします。  それでは、福祉問題についてお伺いをいたします。  まず初めに、リバースモーゲージ事業についてお伺いをいたします。  低所得者の高齢者世帯に対する新たな生活支援制度が実現いたします。住宅や土地はあっても現金収入の少ない高齢者世帯を対象に、持ち家の土地を担保に毎月生活資金を貸し付ける長期生活支援資金が新たに国によって創設されることになりました。98年に私と会派の西議員とで提案をした、いわゆるリバースモーゲージ制度です。厚生労働省はことし4月からの制度創設を目指しており、実施主体である都道府県社会福祉協議会での早期導入が期待されます。  貸し付けの対象は、おおむね住民税非課税の高齢者世帯、65歳以上で、収入が少ないために生計の維持が困難なケースに適用されます。借り受け人の保有する居住用不動産(土地)や連帯保証人の保証能力等を総合的に評価して、貸付限度額を設定。貸付月額は借り受け人の希望を踏まえつつ、貸付限度額の範囲内で年金など他の収入と合算して生活保護基準額のプラスアルファ── 1.5倍と考えているようですが──の生活を維持できる額としているようです。  貸付限度額は、さらに発足当初は制度の安定性を確保するため、土地評価額の5割程度に設定、貸付期間は3年単位で、3年ごとに専門家による土地の資産評価を行い、貸付限度額に余裕があれば契約を更新し続けることが可能で、利率は年3%以内。申請の受付窓口は市町村の社会福祉協議会となるようです。返済は本人が死亡するなど、契約が終了後、土地を売却したり連帯保証人が資金を用意するなどして、貸付金及び利子を一括返済します。  国はこのリバースモーゲージの創設に当たり、2002年度予算案に生活福祉資金貸付制度全体分として約15億円の国庫補助を計上しました。  さて、本市でこのリバースモーゲージ制度の提案をしたのは、98年7月に帯山の御婦人から寄せられた市民相談でした。家、土地はあるものの相続する子供がいない、亡くなった主人の遺族年金も低額、武蔵野市のような制度が熊本市でもできないものかという相談でした。  私は直ちに武蔵野市を視察。9月に西議員が質問。12月議会で私が制度導入を促したところ、執行部から、99年11月までには実施したいとの答弁がありました。また、99年の三角市長、年頭記者会見で、9月の敬老の日までには間に合わせたいと表明。その際、戸建て住宅だけでなく自己所有マンションも対象にする意向も示されました。しかしながら、こうした本市の意向にもかかわらず、金融機関との調整が進まず実施に至っていないのが現状です。  この間、公明党では昨年5月、生活保護を受けずに頑張っている低所得の高齢者に対し、新たな生活支援の具体策をつくるよう厚生労働省に申し入れてきました。さらに同10月、参議院本会議代表質問で、高齢の低所得者に対する経済支援の具体化を訴えました。今回の生活支援制度はこうした我が党の提案、推進によるもので、本市が望んでいたリバースモーゲージ事業がいよいよスタートします。  これまで、この事業について活用しやすいものになるよう、幾つかの提案を行ってきました。例えば利子補給の問題です。本市では、利子分は一度本市で支払い、利息が複利で大きくならないようにして、事業終了時に精算することを検討しました。また、三角市長が言われていた持ち家以外の自己マンションの問題。さらに国の所得制限は本市が検討してきた制度をカバーできるものなのか。もしカバーできないのであれば、別な対応が必要なのかどうか。いつごろ実施されるのかを含め、これら提案、検討事項などをどのように考えるのか、お考えをお示しください。  続けて、肝炎対策の強化推進についてお伺いします。  14年度の国の予算に、公明党が緊急課題と位置づけ実現を強く求めていたC型肝炎の総合対策として総額55億 4,700万円が盛り込まれました。  このC型肝炎とはウイルスの感染によって起こる肝臓の病気で、感染は血液を介して起こります。血液の輸血や血液製剤の投与、注射針の共用などで感染します。性行為でも移ることがあるとされますが、その確率はまれとのことです。また、抱き合ったり、握手やキス、食器の共用、入浴などで感染することはないとのことです。もちろん唾液では感染しませんし、感染していても症状が出ない場合が多いのが特徴とされています。  我が国のC型肝炎ウイルスの感染者は約 200万人と推定され、今や第二の国民病とも言われています。C型肝炎は長い潜伏期間を経て肝硬変や肝がんに進行する比率が高く、肝硬変や肝がんによる死亡の7割以上がC型肝炎からの移行と言われています。また、C型肝炎の恐ろしさは自覚症状があらわれず、気がついたときには肝硬変や肝がんに進行しているという時限爆弾である点です。  このため、14年度予算では、C型肝炎緊急総合対策の柱として、みずからの感染の事実に気づいていない人を早期に発見するため、老人保健法に基づく基本健康診査と政府管掌保険の生活習慣病予防健診にC型肝炎検査を導入することになりました。また、B型肝炎検査も同時導入するとのことです。このように健康診断にC型肝炎検査を導入するのは、世界に先駆けた試みになります。  また、老人保健法の基本健康診査や政府管掌保険の生活習慣病予防健診で、C型肝炎検査を40歳から5年ごとの節目に実施し、5年間かけて40歳以上の対象者全員の検査を一巡する計画とのことです。  厚生労働省によると、40歳以上が感染の事実を知らずに治療を受けなかった場合、約7割が慢性化し、最終的に5人から10人が肝硬変や肝がんで死亡するという調査データが明らかになりました。これは 100人に対してのことです。  主に大企業のサラリーマンが加入している組合健保の場合、健康診査にC型肝炎検査を導入するかどうかは各組合の個別の判断ですが、C型肝炎検査の導入が順次検討されることが期待されています。  このほかすべての国民が利用できる仕組みとして、保健所におけるC型肝炎の相談・検査体制を整備することになっています。  C型肝炎緊急総合対策は以上の検査体制の整備のほか、国民に対する普及、啓発、治療方法等の研究開発、感染経路の遮断を対策の柱としています。  公明党は昨年3月、C型肝炎対策等に関する質問主意書を提出。同年4月には日本肝臓病患者団体協議会と全国肝臓病患者連合会とともに、党政務調査会が坂口厚生労働大臣にC型肝炎対策の拡充を申し入れました。  これに対し坂口大臣は、「検査体制を確立したい」と積極的に対応する考えを示しました。さらに、同年6月にも総合的なウイルス性感染対策を提言するなど、C型肝炎対策を力強くリードしてまいりました。  この肝炎対策は早期発見、治療法開発が重要とされます。また、肝炎に対する正しい知識と偏見を生まないための啓蒙啓発が重要になります。  そこで、お伺いをします。  九州、特に熊本はC型肝炎ウイルスキャリアが多いと聞き及んでいます。本市のキャリアはどのくらいと推定されるのでしょうか。  また、国の対策を受け、本市の検診体制と広報活動はどのようにされるのでしょうか。対応をお聞かせください。  また、陽性反応が出た方や家族のフォローはどうされるのでしょうか。  さらに、インターフェロンとの併用療法でC型肝炎の治療に大きな威力を発揮すると言われる新薬リバビリンの輸入販売が承認されました。副作用の懸念から使用方法が限定されています。この新薬を使用して治療が可能な市内の病院はどこになるのでしょうか。あわせて関係局長にお聞きをいたします。  福祉問題の最後に、職場適応援助者、横文字で言うとジョブコーチによる人的支援事業についてお伺いをいたします。  ジョブコーチとは、障害者と一緒に職場に入り、障害者が1人で作業ができるようになるまで作業遂行上の手助けや障害者と事業者との心のかけ橋となる指導員のことを言います。  アメリカでは早くから公的に認められ、障害者の雇用に取り入れられ、効果を上げています。我が国ではまだ公的には認められていませんが、厚生労働省は、2000年度からジョブコーチ制度を神奈川県、滋賀県で試験的に取り入れ、14年度(来年度)の予算で全国で取り入れるため18億円の予算を計上いたしました。  ジョブコーチがもたらすメリットは、まず1つに、事業者側にとっては初期にジョブコーチが一緒に職場に入ることで指導の時間が省ける。2つ目に、障害者の指導方法が理解できるなどが挙げられます。また、障害者側からは、なれるまで一緒に仕事ができるので安心だといった評価などが挙げられます。  さて、話は変わりますが、チャレンジドという言葉があります。御存じでしょうか。障害を持つ人のことをあらわす新しい言葉で、挑戦──チャレンジ、すべき課題や使命あるいはチャンスを与えられた人ということです。最近、ハンディキャップにかわる言葉としてアメリカで定着しつつあります。  さて、このチャレンジドの言葉、考え方を日本で積極的に広めているのが社会福祉法人プロップ・ステーション(略称プロップ 神戸市)です。しかも、チャレンジドを納税者にしようというのが、このプロップ活動の一番のねらいです。具体的にはチャレンジドの皆さんにIT(情報技術)やパソコンの技術を身につけてもらい、仕事をしてもらおう、そして収入を得て納税者にというものです。  プロップが活動を始めたのは1991年5月。当時、西宮市内で障害者自立支援組織の活動をしていたプロップ・ステーションの理事長、竹中ナミさんに西宮市から、市が運営するパソコン通信会議、情報倉庫・にしのみやの福祉系ボード(会議室)を運営してくれませんかとの依頼が舞い込みました。パソコンはおろかワープロも苦手だったという竹中さんは、あるチャレンジドの青年に相談を持ちかけ、パソコンの会議室をスタートさせます。竹中さんらは、この会議室に多くのチャレンジドが集い、さまざまな障害を全く感じさせることなく、活発に会議室で意見を交換することに触れ、情報通信がコミュニケーションをバリアフリーにするということを実感したといいます。
     一方、竹中さんには現在29歳の重度の心身障害を持つ娘さんがいます。補助を受けながらの生活の中で、竹中さんはふと思ったといいます。入院していた療養所の費用に障害者基礎年金を合わせると月に50万から60万が彼女のために税金が使われていると。「わお、彼女は月給50万円の国家公務員か」と思わず言ってしまったとのこと。「ごっついお金のかかる構造なんやな、今と同じ福祉システムではもたへん──維持できないという意味ですが──国になるぞ」と理屈抜きに感じたそうです。  竹中さんは、「同じ税金を使うのなら、チャレンジドたちの中に眠っている力をどんどん生かすことに使った方が、もっと社会が経済的に発展していくし、何より人間の平等という意味でもプラスになっていくのだろう」との考え方に至ったとのことでした。  折しも竹中さんは、J.F.ケネディが語った「すべての障害者を納税者にしたい」との言葉を知り、「よし、これをスローガンにやろう。必ずできる。」と確信したそうです。  まず、竹中さんは重度障害者の皆さんにアンケートを送ります。それは、「あなたは大変重い障害を持っているけれど、仕事をしたいと思いますか。もし仕事をするなら、何がそのための武器になると思いますか。」というものでした。重度障害者に対してこのようなアンケートが行われたことはかつて一度もなかったそうです。この結果、 200通近い回答が寄せられ、しかも回答のうち8割が「自分も社会に対して何かしたい。できれば仕事もしたい。」そして「そのために有効な道具はコンピューターだと思う。」というものだったといいます。  このようにコンピューターを活用して重度チャレンジドの就労を促進するというプロップの活動は、チャレンジド自身の声から始まり、1992年春、コンピューターメーカーから提供されたパソコンを使ってチャレンジドのための勉強会がスタートしました。プロップの卒業生はこれまでに既に約 400人を超えています。この中で在宅でプロとして仕事をしているチャレンジドは全国で約50人にも達しています。働きたい、社会のために何かしたいという願いは着実にかなえられつつあります。  竹中さんは厚生労働大臣に、厚生労働省はこんな予算の使い方をしてほしいという思いを込め手紙を送りました。その内容は以下のようなものです。  「小泉内閣の痛みに対するセーフティーネットが従来型の救済のための補助金では、国民は失望してしまいます。国民にとって真に必要なセーフティーネットのキーワードは、誇りある自立です。救済ではなく、国民の誇りある自立を促す予算が必要です。」このような内容でした。これに対して、坂口大臣はこの手紙を読んだ感想をこうつづりました。「確かに救済のための補助金が余りにも多い。もっと補助金を。そんな言葉がちまたにあふれる中で、誇りある自立を求める声はどれほど人の心を揺さぶり、勇気を与えてくれることか。障害があっても人を助けることのできる人間に成長しようとする人たちのために、もう一度厚生労働行政を見直したいと思います。」と。  ジョブコーチはいずれ市町村単位への流れとなることは明らかです。こうした流れを受け、本市としてジョブコーチの育成や支援体制の確立を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。  また、98年に障害者法定雇用率が 1.8%に改定され、知的障害者も雇用率算定基礎に加えられました。  そこで、お伺いいたします。  本市の雇用率はどのくらいでしょうか。そして、このうち身体障害者と知的障害者はどのくらいでしょうか。本市の障害者数と合わせてお答えください。また、本市独自の目標値を設定されてはいかがでしょうか。あわせて担当局長にお伺いいたします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  福祉問題について3点の御質問でございます。  最初に、リバースモーゲージ事業についてお答えいたします。  議員御案内の長期生活支援資金は、本市議会で御提案いただき、本市で導入に向けて検討を続けてまいりましたリバースモーゲージ制度の考え方を取り入れた新たな融資制度であります。現下の厳しい経済情勢を考えますと、リバースモーゲージ制度のリスクを最小限に抑えた制度であると評価しております。  お尋ねの1点目の利子補給の件につきましては、リバースモーゲージが長期にわたる貸し付けでありますことから、利息がかさみ貸付金が少なくならないように実施するものでありまして、今回の長期生活支援資金では貸付期間が3年と短いことから恐らく単利と思いますが、複利にいたしましても貸付金総額に対する利息の割合は、リバースモーゲージに比較した場合かなり低いものと思われます。したがいまして、特段の利子補給の必要はないものと考えております。  次に、2点目の持ち家以外の自己所有マンションにつきましては、本市が金融機関とリバースモーゲージ事業導入について協議を行った中では、マンションは建物の管理状態の評価が難しい。また、大都市と比べて本市における中古マンションの取引価値は低いということでもあり、持ち家以外の自己所有マンションを対象にした貸し付けは困難であろうと考えております。  3点目の国による制度の所得制限外者への対応でございますが、議員御案内の住民税非課税世帯を貸付対象とし、貸付月額を生活保護世帯基準額の 1.5倍程度を限度と想定した場合、本市におきましては70歳以上のひとり暮らし世帯で月額約13万 1,000円、高齢者夫婦世帯で約20万 8,000円までの生活が保障されることとなり、今回の新たな貸付制度により、リバースモーゲージ事業の目的とする高齢者への生活支援を十分果たせるのではないかと考えております。  いずれにいたしましても、長期生活支援資金の運用についての貸し付けマニュアル等が本年5月ごろに示される予定でありまして、現在、本市で検討いたしておりますリバースモーゲージ事業の進捗が困難をきわめている現状から申し上げましても、国におけるこの制度の早期実現化を望むところでございます。  次に、肝炎対策の強化推進についてお答えいたします。  議員お述べになられたとおり、C型肝炎は肝硬変や肝臓がんに移行する比率が高く、肝硬変、肝臓がんによる死亡の7割以上がC型肝炎からの移行と言われることから、本市としまして約1万人と推定される感染者への対策が重要であると認識いたしております。  今般、厚生労働省におきまして、平成14年度から老人保健法による基本健康診査に肝炎ウイルス検診が追加されますことから、本市におきましてもこれに基づき、現在実施いたしております基本健康診査時に、検査対象者で検査を希望されます方に対しB型、C型肝炎ウイルス検査を実施するとともに、保健事業以外の対象者で検査を希望されます40歳以上の方には保健福祉センターでの実施を予定して、本議会に予算を計上させていただいているところでございます。  また、HIV抗体検査時の40歳以上の希望者に対しましては、熊本市保健所でC型肝炎検査をあわせて実施予定でございます。  なお、検査結果が陽性の方へは、保健福祉センターに新たな相談日を設け、医師や保健婦等が相談や保健指導に当たり、医療機関と連携を図りながらフォローに努めるとともに、市民に対しては肝炎に対する正しい知識の普及が重要なことから、ポスターやパンフレット等によりその普及に取り組んでまいりたいと考えております。  さらに、C型肝炎の治療に完治率の高いインターフェロンと抗ウイルス薬リバビリンとの併用療法は、現在、把握しておりますところでは、市民病院を初めとした公的医療機関等での対応が可能な状況でございます。  3番目に、職場適応援助者、いわゆるジョブコーチによる人的支援事業についてお答えいたします。  障害者がその適性と能力に応じて、可能な限り地域で生活しながら雇用の場につき、社会参加できるような支援策につきましては、本市としましてもその必要性を十分認識しております。  ただいま御紹介がありました国が新年度から本格実施するジョブコーチによる人的支援事業は、試行段階から効果を上げている事業であり、平成14年度からハローワーク4階にあります熊本障害者就業センターが5名のジョブコーチによる就労支援を計画しておりまして、本市にとりましても障害者雇用の拡大につながると大いに期待しているところで、今後の国の動向に注目したいと考えております。  また、お尋ねの障害者雇用状況でございますが、熊本公共職業安定所管内における平成13年6月現在の民間企業の雇用状況によりますと、昨今の厳しい雇用情勢を反映してか、身体障害者 795名、知的障害者 121名で、実雇用率は1.57%にとどまっており、雇用率未達成の企業は全体の54.5%に上っている状況で、障害者の就労がいかに難しいかが推測されます。  ちなみに、本市の18歳から64歳までの就労対象となる身体障害者数は 8,749名、知的障害者数は 2,145名でございます。このような状況でございますので、議員御提案の熊本市独自の目標値設定につきましては、まずは法定雇用率を達成できるよう、企業等関係機関に対し周知と啓発に努めてまいりたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  リバースモーゲージにつきましては、提案以来待ちに待った事業がスタートします。市民へのしっかりとした広報を求めておきます。  肝炎対策ですが、本市に恐らくは1万人程度いるだろうということでございます。委託医療機関で実施している基本健診で、肝炎ウイルスの検査ができることになりました。40歳以上のだれでも受けられるように、保健福祉センターでも検査ができるとのことです。肝炎に対する正しい知識の普及と広報をよろしくお願いいたします。  また、ジョブコーチについては、本市の目標として、まずは法定雇用率 1.8%を目指すとのこと。現下の雇用情勢では大変な数字です。いつまでするかしっかりと目標を決め、実効あるものにしていただきたい。  それから、この障害者の件で昨日の参議院予算委員会で、上肢障害者で──上の方が障害を持っている方のことですが、その中で文字を書くことが困難な上肢障害者に限りますが、今までワープロが支給をされておりました。しかし、パソコンはだめだということでございましたけれども、日常生活用具給付制度、このことについて坂口厚生労働大臣が、「ワープロにかえてパソコンを支給できるようにしたい。4月から告示を変えたい。」というふうに述べておりますので、広報等もあると思いますので、一応お知らせをしておきたいというふうに思っております。  それでは、文化芸術の振興についてお伺いをいたします。  昨年11月30日、我が国の文化芸術の憲法とも言うべき文化芸術振興基本法が成立、12月7日に施行になりました。文化芸術立国日本の構築へ確かな一歩を踏み出しました。  世界の文化に精通する平山画伯が「文化交流でいけば、政治の壁は越えられる」と語るように、文化芸術は人間に勇気と感動を呼び起こすのみならず、政治や宗教、民族の違いを超えて人々の心をつなぎ、世界の平和創造へ大きく寄与する力を持っています。  また、文化芸術は人間の心を活性化させる根本であり、経済とも深く関係をしています。アメリカでは1930年代、景気回復を目指して実施したニューディール政策の柱の一つに、文化芸術の振興を据え、美術、音楽などの国家的プロジェクトを実施、それが今日の一大文化芸術産業の源となりました。文化芸術の振興は行き詰まった日本社会を打開する重要なかぎを握っております。  文化芸術の振興に国や民間がどれだけ支援しているか、日本と世界の現状を比較してみますと、日本の文化芸術関係予算は国家予算全体の0.11%で、フランスの国家予算に対する0.94%に比べると約10分の1の水準にとどまっています。  文化芸術の振興には、芸術家の育成や活動への支援とともに、だれもが安価な料金ですぐれた芸術に親しめる環境整備も重要な課題です。例えば、フランスではルーブル美術館を初め、パリとその郊外の74カ所の美術館、博物館、史跡を有効期間中、無制限で回れる格安の共通入場パス、カルト・ミュゼがあり、世界じゅうの旅行者に好評を博しています。日本でも質の高い文化芸術を気軽に楽しめる環境づくりが求められています。  公明党は昨年5月2日、政党として初めて本格的な文化芸術政策「文化芸術立国・日本を目指して」を発表。文化と芸術に関する憲法とも言うべき基本法の制定を目指す理念を明示し、1つに、文化芸術団体への税優遇制度の拡充、2つ目に、新進、若手芸術家の育成支援、3つ目に、子供たちが文化芸術に触れる機会の提供など、多彩な具体策を提示しました。さらに、秋の臨時国会での早期成立を目指す立場から、与党案をまとめ、民主党にも呼びかけて、11月16日、4党共同の議員立法として文化芸術振興基本法案を国会に提出。11月30日、成立させることができました。  さて、話は飛びますが、ことしの成人式に参加をいたしました。昨年各地でいろいろな問題が起こっていたことから、どのような成人式になるのだろうかと考えながら参加をいたしました。式典の中では、大江小学校の障害児によるハンドベル演奏が披露されました。その演奏はうまい、下手を超え、私たちに感動を与えました。  間近で見ていると、担任が一人一人に声をかけながら、目で語りながら指揮をとっていました。生徒も一生懸命にそれにこたえようと、ハンドベルを振っていました。何十億円もかけた映画以上の感動の数分間でした。身近な文化芸術がここにあると実感をした瞬間です。  このほかにも本市独自の文化芸術振興が起きつつあります。全国邦楽コンクール、「草枕」全国俳句大会の開催、市民総郷土史家運動、芸術文化出張講座などです。特に全国邦楽コンクールと「草枕」全国俳句大会は、今、世界性を見せ始めています。  去る1月、東京の紀尾井ホールで邦楽新鋭展を鑑賞しました。全国邦楽コンクールの最優秀賞受賞者の演奏会です。過去7回の全員が参加していました。第1回の受賞者の田辺さんは、賞金50万円がお子さんの入園金の一部に役立ったことを語っていました。このほかにも、最優秀賞の受賞を機に世界で演奏するようになるなど、邦楽界から去ることなく大きく活躍されている方が多く生まれていました。  また、「草枕」全国俳句大会はことしで7回目を迎え、応募総数も年々増加し、本年度も2万 5,000ぐらいの応募があると期待されています。特に海外からの応募が増加傾向にあります。海外の地域紛争に翻弄され兵士として戦ってきた人が、俳句の世界に触れ心の平安を保とうとしているとの話も聞いております。これら事業の今後の展開をお聞かせください。また、全国邦楽コンクールの賞金額を引き上げてはと思います。また、俳句大会の国際部門の充実、拡大も図ってはどうでしょうか。  さきに述べたように、ようやく国も文化芸術振興に本格的に取り組み始めました。提案ですが、本市行政における位置づけや理念、基本方針をはっきりさせるために、文化芸術都市宣言や文化芸術振興条例、さらには文化芸術振興戦略を策定されてはいかがでしょうか。  その上で、これら施策を実質的に支援する(仮称)文化芸術サポートセンターを設置されてはいかがでしょうか。文化芸術は生活に根差し、社会に根差したものだけが残っていくのだろうと考えています。そのための場所の提供も重要です。文化芸術を志す人々が集まってくる、いわゆる「むら」の創出が大切だと思っています。  また、サポートするための資金として、文化芸術振興基金を創設されてはどうでしょうか。  こうした施策が相まって、世界から、各地から文化芸術を志す人々が集まる都市になるのではないでしょうか。将来は文化芸術局と呼ばれるような規模の施策の展開が必要と考えますが、いかがでしょうか。  基本法の成立やことし4月からの学校完全5日制を受ける形で、文部科学省は国立の主な博物館、美術館の小中学生の入館、常設観覧料を4月からすべて無料にすると発表しました。本市でも文化芸術体験を推進する立場から無料にされてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。          〔村上智彦市民生活局長 登壇〕 ◎村上智彦 市民生活局長  鈴木議員にお答えします。  文化芸術の重要性につきましては議員お述べのとおりでありまして、文化芸術の振興は暮らしにゆとりと潤いをもたらし、市民の創造性をはぐくむとともに、次代を担う子供たちの心の教育や地域経済の活性化、あるいは活力あるまちづくりに欠かせないなど、広範な意義を持つものでありまして、極めて重要な課題であると認識しております。  このような基本認識のもとに、本市では、全国邦楽コンクールを初め「草枕」全国俳句大会などのユニークな催しを開催し、我が国の誇りとする伝統文化の継承、発展を図るとともに、城下町熊本の文化とイメージを広く全国に発信しているところであります。  お尋ねの今後の展開でございますが、まず全国邦楽コンクールでは、開催時期を文化行事が集中する秋から春に変更し参加者の拡大を図るとともに、受賞者の活躍の機会を提供するなど、受賞者の育成にも力を注いでまいりたいと考えております。  また、議員御提案の賞金引き上げについては、ほかのコンクールと比較検討し、財政状況も考慮に入れながら関係団体とも協議してまいりたいと考えております。  次に、「草枕」全国俳句大会については、海外からの応募が急増しておりまして、俳句がブームとなりつつありますので、御提案にありますように外国語部門の充実を図りたいと考えております。  具体的には、今年度から名称を「草枕」国際俳句大会と改め、最優秀賞受賞者の熊本への招待やインターネットによる英語での投句募集を実施するなど、日本の伝統文化を代表する俳句を通した世界への文化情報発信と国際交流を深めてまいりたいと考えております。  また、議員には文化芸術都市宣言、文化芸術振興条例、文化芸術戦略策定を初め、(仮称)文化芸術サポートセンター、文化芸術振興基金の創設、局規模での施策の展開など、すばらしい御提案をいただきました。  本市では今、21世紀の文化芸術振興の具体的な計画を明らかにするために、市民、文化関係者から成る文化振興行動計画策定委員会を組織し、平成15年3月をめどに実効性のある計画を策定中であります。  そこで、議員御提案につきましては、計画策定委員会での十分な論議、検討を経て、この計画に盛り込めるものは盛り込み、実現に向けて努力してまいりたいと考えております。          〔齊藤聰企画財政局長 登壇〕 ◎齊藤聰 企画財政局長  小中学生に対する熊本市現代美術館の観覧料を無料化してはどうかという御提案でございます。お答え申し上げます。  熊本市現代美術館におきましては、今月末には建設工事も竣工し、その後開館へ向けた準備作業を経て、今年10月にオープンすることといたしております。これも本市議会はもとより、多くの市民、関係者の方々の御理解と御支援のたまものと心から感謝を申し上げる次第でございます。  さて、本市現代美術館における小中学生に対する観覧料の無料化についてでございますが、本市美術館におきましては、小中学生を初め市民の皆様が気軽に御鑑賞いただけるよう、井手宣通画伯の遺作等を展示する記念ギャラリー、あるいは美術館が企画して開催する市民ギャラリーでの地元芸術家等の展覧会につきましては、すべて観覧料を無料とする方針でございます。  また、企画展におきましては、事業の採算性、収益性の面から小中学生の観覧料をすべて無料とすることは難しいと思われますが、企画展の内容次第では教育的な配慮の面から検討してまいりたいと考えております。  このほか子供たちがゆとりの時間を利用して楽しく自由に美術体験ができる創作室「キッズ・ファクトリー」や、コンピューターを用いた世界最先端の美術作品に直接触れながら遊ぶことのできる「メディア・ギャラリー」の設置も計画いたしております。また、さまざまなジャンルの図書を用意した、来館者のいわば安らぎの場ともなる「ホームギャラリー」など、これらの諸施設は無料のゾーンとして市民の皆様すべてに開放してまいりたいと考えております。  そのほか、既に市内の小学校と共同で「肥後っ子美術新聞びいなす」を発行しておりますが、より一層学校教育との連動も図ってまいりたいと考えております。  本市美術館といたしましては、このようにさまざまな美術体験を通して、市民の皆様が芸術文化との結びつきを深め、心の感性を一層高めていただけるような工夫もしながら開館へ向けての準備を進めておりますので、御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  文化芸術振興についてお伺いいたしました。文化芸術振興行動計画が来年には策定されるようです。この中で、文化芸術都市宣言、文化芸術振興条例、文化芸術サポートセンター、文化芸術振興基金の創設等々、検討も加えていただけるということでございます。文化芸術を支えるいろいろな施策の整備がなされ、新たな文化芸術の展開がなされることを期待いたしております。  また、小中学生の現代美術館での観覧料について、市民ギャラリー、記念ギャラリーについてはすべて無料ということでございます。また、企画展については内容ごとに教育的配慮で検討していただけるということでございます。  いずれにしましても、市民に親しまれる美術館のオープンが期待されます。  続きまして、教育問題についてお伺いいたします。  まず、奨学金についてですが、現行の育英奨学金制度の廃止に伴い、本市では新たに熊本市育英奨学金貸付制度をスタートすることが提案されています。  ことしに入って奨学金の相談がかなりありました。そのほとんどが親のリストラ等によって、いわゆる家計急変で授業料が長期にわたって滞納しているという相談でありました。中には学業も頑張って、就職先も決定したにもかかわらず、授業料滞納でこのままでは卒業できず、就職も白紙に戻るという悲痛な訴えもありました。  私たち公明党は、日本育英会の充実を重点政策として推進してまいりました。特に大学生を主に対象とした有利子奨学金である希望プラン21では、まず成績要件を撤廃、だれでも借りられるような制度とし、14年度の政府予算を見ても79万 8,000人を対象として、 1,127億円が計上されるようになりました。99年2月に公明党と自民党との政策合意により始まった奨学金の抜本拡充の前年度である98年の48万人と比べても、その対象者は2倍近くに拡充されるようになりました。大学生についてはここまでの拡充が図れてきたところでございますが、高校生、高等専門学校についてはこれからだと認識しております。  そうした中、本市独自の奨学金貸付制度がスタートすることになります。子供たちに少しでも勉学する機会を与えたいと考えている親にとって大変な朗報となっています。  そこで、本市議会でもこの奨学金制度について何人かの方たちが要望、提案をされておりますので、委員会での議論に譲るとして、要望を述べておきます。  申込時の保証人、これについては日本育英会同様、保護者のみとする。  それから貸付月額ですが、大学生だけでなく高校生にも自宅外の設定をする。  3番目に、同じく貸付月額ですが、市内の私立高校の場合で見てみますと、授業料のほかに実はその他として施設整備費、実習費などが高いところでは2万 2,700円が徴収されております。授業料とその他合計が実は3万円を超えるというのがたくさんありますので、その3万円を超える場合には母子寡婦貸付制度が行っているように、4万 5,000円を上限としてやはり特別枠を設けること。  4つ目には、入学支度金ですが、私立高校入学金10万というところもありますが、17万、15万というところもかなりあります。やはりこれも超える分にのみ特別枠を設けること。  さらに、申込時期についてですが、家計急変、災害などで学業に困ったときに対応できるように、緊急時については随時申し込みができるようにすること。  以上、6項目を要望し、詳細の議論は委員会に譲りたいと思います。  その上で、市民の方たちから「どのような奨学金があるのかよくわかりません」と、よく御相談に来られます。相談に来られるたびに、まずこういうのがありますよというところから入らざるを得ない。  そこでお伺いをします。  公的機関、民間を含め、奨学金制度の一覧かパンフレットを作成されてはいかがでしょうか。ぜひとも公的機関だけでも、まずは4月の条例施行前に作成できないでしょうか。担当局長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  続けて、児童育成クラブについてお伺いします。  国は、放課後児童クラブの拡充を図るため、20人未満の小規模クラブについて、その設置を促進するため過疎地等の補助要件を撤廃して、また学校週5日制に対応して土日祝日も開設するクラブに補助を加算することになりました。  これについてはまだかなり制限というか、条件が厳しいようでありますが、この児童育成クラブはもともといわゆるかぎっ子対策としてスタートしました。このため、親が働いている間、子供を預かることに主眼が置かれた施策となっています。  この間、女性の社会進出、少子化、学校週5日制などで社会は大きく変化をしました。こうした変化を受け、児童育成クラブの使命も変化する必要があると考えています。そろそろ転換期に来ていると思います。  子供たちは地域の宝です。児童育成クラブを単なるかぎっ子を預かる施設という観点から脱却し、地域で子供を育てる場ととらえ直し、具体的な施策を展開すべきではないでしょうか。  施設のあり方や場所、設備の問題もあります。また、対象者数や対象学年の問題、子供をどうやって育成していくかという場所の問題といった施策の問題など、本格的な本市独自の整備が必要な時期に至っています。この実現のためにはあらゆる角度からの検討が必要でしょう。  そこで、お伺いをします。  質的変化を実現するために関係部局から成る検討会を設置してはどうでしょうか。担当局長にお伺いをします。  その他の項目として、市営住宅のエレベーターの設置についてお伺いいたします。  市営住宅のエレベーターのことにつきましては、平成10年12月の質問で、3階建ての市営住宅でも国の補助対象となったことから、万石南団地の高齢者住宅棟でエレベーターを設置し、今後の新設団地についても建てかえ団地など、高齢者の比率の高い団地においては整備を進める必要があると御答弁をいただいております。
     そこで、まずお伺いをします。  その後のエレベーターの設置状況を示していただきたい。  また、既存の市営住宅に対するエレベーターの設置についても、公明党市議団の政調会でたびたび要望をしてまいりました。前向きな答弁をいただいているところでございます。これを受け、既存の市営住宅へのエレベーター設置を検討するために、対象の選定やアンケート調査などを実施していただいていると伺っております。これが実現すると市民にとって大変な朗報であると思います。今後の設置について、これまでの検討やアンケート結果の状況、さらには今後の計画についてどのように考えているのでしょうか。  これからの高齢社会を考えるとき、さらには既存の市営住宅の活用を考えるとき、3、4階建ての住宅へのエレベーターの設置は避けられないと考えていますが、いかがでしょうか。担当局長にお伺いをいたします。          〔田尻紘教育長 登壇〕 ◎田尻紘 教育長  奨学金について鈴木議員にお答えをいたします。  6項目にわたる御要望を交えてのお尋ねでございますが、奨学金につきましては、もとより本市だけの対応には限界がございます。したがいまして、各種の奨学金制度と相互に補完しながら、全体として市民のニーズにこたえていく必要があると考えております。  現在、市内の高校生等が利用できる奨学金には、日本育英会を初め社会福祉協議会などの公的機関あるいは民間団体で運営されているものなど、多くの制度がございます。また、熊本県でも制度の拡充を予定されていると聞いております。  そこで、何らかの奨学金を利用したいという市民に対し、一元的な形での情報提供が必要であると考えます。ただいま鈴木議員からパンフレットなどを作成してはどうかとの御提案がございましたが、各種の奨学金制度の貸付額、対象者、手続方法、申込窓口などが一覧できるわかりやすいものを4月には作成したいと考えております。経済が極めて厳しい状況にありますことから、本市の制度だけではなく、他の制度も紹介することにより、熊本市の子供たちが一人でも多く奨学金を受けられるようにしてまいりたいと存じております。  また、本市奨学金制度の学校や家庭への広報につきましては、市政だよりはもちろんのこと、インターネットの活用なども検討し、広く周知を図っていきたいと考えております。          〔村上智彦市民生活局長 登壇〕 ◎村上智彦 市民生活局長  児童育成クラブについて鈴木議員にお答えします。  御案内のとおり、今回、国は放課後児童健全育成事業の充実を図るための対策として、20人未満の小規模クラブに対する一部補助要件の撤廃や土日祝日も開設するクラブへの補助金の加算措置を設けました。しかし、条件として年間開設日数 281日以上という基準があり、本市のこれまでの開設状況では残念ながら条件に合わないものとなっています。  熊本市では小学校区でおおむね20人以上の児童を基準として児童育成クラブを開設し、現在64カ所に設置しております。これまで運営の内容については適宜見直しを行ってまいりましたが、現在、保護者や関係団体などから幾つかの要望が寄せられております。中でも御指摘の20人未満の小規模クラブの開設や育成クラブ室の施設整備、活動内容の充実、開設時間の延長や開設日数の増加、障害のある児童の6年生までの受け入れなどであります。  また、児童育成クラブのあり方も、議員御指摘のとおり、児童の放課後の安全確保や生活指導も含めた当初の目的から、近年では女性の社会進出への支援や児童の健全育成の場としてとらえるなど、社会のニーズも大きく変化してまいりました。  そこで、時代のニーズを勘案し、また地域と連携した児童育成クラブとするために、各方面の意見を聞き、庁内の関係部門との協議、検討を重ね、平成14年度には活動のあり方や運営に関する方針の概要をまとめていきたいと考えております。          〔吉崎新起建設局長 登壇〕 ◎吉崎新起 建設局長  市営住宅のエレベーターの設置につきまして鈴木議員にお答えを申し上げます。  第1点目のエレベーターの設置状況につきましては、12年度に着手いたしました半田団地の建てかえを初め、本年度着手します荒尾団地にも3階建てに設置を行っております。さらに、今後建設しますすべての3階建て以上の新規建てかえ団地にエレベーターの設置を行うことといたしております。  次に、2点目の少子高齢化社会が進む中で、3階建て以上の既存住宅へのエレベーターの設置につきましては、高齢化率が比較的高く、敷地条件などから設置が可能な団地を選びまして、本年度アンケート調査をいたしております。この調査によりますと、高齢者が多い住棟よりも若い人が多い住棟で設置の希望が多く、高齢者ほど家賃や共益金の負担を危惧し、エレベーターの設置の希望が少ないという結果となっております。また、エレベーターの設置よりも、台所や浴室などの水回り、手すりの設置や段差解消の改善希望が多いという結果になっております。  このような調査結果を考慮しますと、エレベーター設置だけでなく、建物全体のバリアフリー化を基本とした一体的な改善が望ましく、さらに費用負担の問題もありますことから、より詳細な住民の意向調査をし、事業効果を含めた総合的な見地からの判断が必要になると考えております。  このため、14年度におきまして、居住者あるいは入居待機者等を対象としましたより具体的な意向調査を行うとともに、居住者の理解を得ながら、できれば15年度にもモデル事業としての実施に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうか議員御理解のほどよろしくお願い申し上げます。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  奨学金については、何らかの奨学金を利用したいという市民のためのパンフレットを4月には作成されるということでございます。毎年更新をしながらよろしくお願いしたいと思っております。  児童育成クラブのあり方について、これからの社会の変化に合わせた方策を検討し、14年度には方針の概要をまとめるとのことですので、期待をしております。  エレベーターの設置については、今後のすべての新規建てかえについては設置、既存のエレベーターに対する設置については15年度モデル事業を目指すということで最終調査に入るということでございました。  本日は一般質問の最終日となりました。長時間の質問となりました。最初は少々押してしまうのかということで、巻きをかけたために早口となりました。お許しをいただきたいと思います。執行部並びに同僚、先輩議員、そして大変お忙しい中、傍聴においでいただいた皆様に感謝を申し上げます。  以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○岡田健士 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明16日から3月26日まで11日間は休日並びに常任委員会開催のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○岡田健士 副議長  御異議なしと認めます。  よって、明16日から3月26日まで11日間は休会することに決定いたしました。  次会は3月27日(水曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○岡田健士 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                            午後 4時04分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成14年3月15日 出席議員 51名       1番   白 石   正        2番   岡 田 健 士       3番   原     亨        4番   津 田 征士郎       5番   鷲 山 法 雲        6番   上 野 美恵子       7番   村 上   博        8番   小 山 久 子       9番   日和田 よしこ       10番   藤 岡 照 代      11番   坂 田 誠 二       12番   竹 原 孝 昭      13番   藤 山 英 美       14番   田 中 誠 一      15番   下 川   寛       16番   重 松 孝 文      17番   中 松 健 児       18番   家 入 安 弘      19番   佐々木 俊 和       20番   鈴 木   弘      21番   牛 嶋   弘       22番   古 川 泰 三      23番   税 所 史 熙       25番   田 尻 将 博      26番   田 尻 清 輝       27番   北 口 和 皇      28番   田 辺 正 信       29番   大 江 政 久      30番   島 田 俊 六       31番   江 藤 正 行      32番   荒 木 哲 美       33番   主 海 偉佐雄      34番   落 水 清 弘       35番   奧 田 光 弘      36番   鈴 木 昌 彦       37番   益 田 牧 子      38番   上 村 恵 一       39番   磯 道 文 徳      40番   西   泰 史       41番   中 村 徳 生      43番   嶋 田 幾 雄       44番   竹 本   勇      45番   田 尻 武 男       46番   宮 原 政 一      47番   矢 野 昭 三       48番   島 永 慶 孝      49番   村 山 義 雄       50番   大 石 文 夫      51番   紫 垣 正 良       52番   西 村 建 治      53番   亀 井 省 治 説明のため出席した者   市長       三 角 保 之    助役       後 藤 勝 介   助役       福 島 靖 正    収入役      森 高 聖 之   総務局長     古 川   康    企画財政局長   齊 藤   聰   市民生活局長   村 上 智 彦    健康福祉局長   田 中 亮 子   環境保全局長   大 橋 道 雄    経済振興局長   三 嶋 輝 男   都市整備局長   中 原 謙 吉    建設局長     吉 崎 新 起   消防局長     道 越   賢    交通事業管理者  市 原 敏 郎   水道事業管理者  福 島 孝 司    教育委員会委員長 笠   美 雄   教育長      田 尻   紘    人事委員会事務局長瀬 口 芳 生   代表監査委員   野 田 晃 之    市長室長     源   寧 生   財務部長     谷 口 博 通 職務のため出席した事務局職員   事務局長     友 枝 佑 二    事務局次長    松 本   豊   議事課長     山 田 利 博    議事課長補佐   木 村 建 仁...